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祝・五周年 京遊みゅーじっくの京都音楽博覧会レポート二〇一一

2011年9月23日、5周年を迎えた京都音楽博覧会。節目の年ということで、小田和正、細野晴臣、石川さゆりなど、過去の出演したビッグネームを招聘し、さらに新生フジファブリックや斉藤和義、京都代表の10-FEETなどが出演。会場は過去最大の大入りとなり、今までになく多くの人を巻き込むフェスになった。
ここでは、熱狂のうちに終了した本年のオンパクを、今一度振り返りたい。

All photo by 黒瀬康之

トップを務めたのは小田和正。ドラマ『それでも、生きてゆく』の主題歌『東京の空』をキーボードによる弾き語りで歌い上げ、超満員の会場から大歓声が巻き起こります。そして二曲目から音博ならではのスペシャルライブがスタート!くるり岸田・佐藤・田中、フジファブリックの山内、boboを迎えて「恋は大騒ぎ」が披露されます。過去二回の出演では雨に降られた小田和正のライブも今年は晴天に恵まれ、「三度目の正直ですね」と岸田がコメントすると、小田の表情にも笑みがこぼれます。続く三曲目には細野晴臣が登場!秋風の心地良い場内に『風を集めて』の奇跡のセッションが響き渡ります。最後は再び弾き語りに。岸田リクエストの『たしかなこと』でライブを終えました。

小田和正 セットリスト
1.東京の空 / 2.恋は大騒ぎ(w/くるり岸田&佐藤&田中、フジファブリック山内総一郎、bobo) / 3.風をあつめて(w/くるり岸田&佐藤&田中、フジファブリック山内総一郎、bobo、細野晴臣) / 4.たしかなこと

二番手はくるりと同じく京都を拠点にする10-FEETが登場。激しいライブのイメージが強い彼らですが、ドクターハセガワを加えた音博使用のアコースティック編成。中盤にはつじあやのがゲストで参加し、『LOODY』と『recollection』をセッション。ライブバンドとしての力強さ、そしてアコースティックによって紡がれる柔らかさ。彼らの新しい一面を見ることができました。

10-FEET セットリスト
1.SHOES / 2.RIVER / 3.LOODY(w/つじあやの) / 4.recollection(w/つじあやの) / 5.1.sec

続いては石川さゆり。前回の出演ではバンド編成による『津軽海峡・冬景色』を披露し、イントロの演奏と同時に会場のお客さんが総立ちとなる記憶に残るライブを見せてくれました。今年はギター、ベース、パーカッション、キーボードのシンプルなアコースティック編成で登場。多くのアーティストにカバーされ、CMでもおなじみの『ウイスキーがお好きでしょ』で始まり、『津軽海峡・冬景色』へと続く激アツなセットリストでした。終盤には観客のリクエストに答えて『天城越え』!リハーサルでもやっていなかったとMCで話していましたが、そんなことは微塵と感じさせない熱唱ぶり。石川さゆりの世界を体感できるひと時になりました。

セットリスト
1.ウイスキーがお好きでしょ / 2.津軽海峡・冬景色 / 3.緑のふるさと / 4.転がる石 / 5.天城越え / 6.朝花

音博もいよいよ後半戦。9月21日に「STAR」をリリースしたフジファブリックが登場。注目の一曲目はメンバー・ファン共に忘れられないアルバムであり、表題曲である『MUSIC』でした。音博皆勤賞のboboをサポートに迎え、「STAR」に収録されている『STAR』『水飴と綿飴』、名曲『虹』と続き、『ECHO』で締めくくりました。『虹』から『ECHO』の流れでは、彼らの新しい旅立ちへの決意が伝わってくる情感あふれるライブに食い入るように見入ってしまいました。私達だけでなく、彼らのライブにグッと来た人も多かったのではないでしょうか。

セットリスト
1.MUSIC / 2.STAR / 3.水飴と綿飴 / 4.虹 / 5.ECHO

2度目の出演となる細野晴臣は高田漣を引き連れての編成。照りつける西日の中、涼しげで優しい彼の歌声が観衆を包みこみます。「セットリストを一曲飛ばしちゃった。もうやらないよ。」の言葉に、「えーーっ」と残念がる声が響き渡る一幕も。最後には「くるりのみんな出てきなよ」とラフな呼びかけにくるりのメンバーとboboが登場。"細野ワールド"に会場中が飲み込まれながらセッションされた『Roochoo Gumbo』に場内は湧き上がりました。

セットリスト
1.恋は桃色 / 2.Ramama / 3.Radio Activity / 4.Lonesome Road Movie / 5.Hong Kong Blues / 6.Roochoo Gumbo(w/くるり)

「京都でライブははじめて」と日本語のMCからスタートし、スウェーデンから届いた清廉な歌声が梅小路公園を洗います。CMで誰もが一度は耳にしているであろう「It Doesn’t Stop」や「Boom!」など、ヒットナンバーを飛ばしてライブは終了。曲中手拍子が起こるシーンもあり、ある意味で一番フェスらしいステージでした。

セットリスト
1.The Wrong Way / 2.HUSH NOW / 3.太陽 / 4.It Doesn’t Stop / 5.Fragile / 6.丘の上で / 7.Star Again / 8.Boom!

「アゲハ」や「空に星が綺麗」など、ヒット曲を演奏しのっけから飛ばす斉藤和義。「ずっと好きだった」の演奏が始まった瞬間、会場が「まさか・・・」という雰囲気に包まれ、フルコーラス歌いきったと思いきやそのまま「ずっとウソだった」に突入。賛否両論ある曲ではありますが、歌いきった彼は本当にロックンロールな人だと再確認。「また怒られます」と言いつつ「歌うたいのバラッド」で終了。

セットリスト
1.アゲハ / 2.空に星が綺麗 / 3.ウサギとカメ / 4.ずっと好きだった / 5.ずっとウソだった / 6.歌うたいのバラッド

そして夕焼けと共に大トリのくるり。新編成になって初めての音博登場でした。サポートメンバーにはおなじみのboboに加え、高田漣が参加。5周年を迎えられた喜びを語りながら、熱のこもった演奏で観客を沸かせました。
新しい編成の演奏はとても個性豊かで、往年のファンとしては1曲ごとに今までにない感動があって興味深い演奏でした。変化するシーンを咀嚼し、常にスタイルを更新してきたくるりはある意味でカメレオンのようなバンドだったようにも思いますが、ここに来て一本芯が通ったように思えました。会場にいる誰もが、今後の彼らの展開に期待せざるを得ないパフォーマンスでした。

全11曲を演奏し、アンコールではTAKUMA(10-FEET)、フジファブリック、マイア ヒラサワ、斉藤和義を向かえ「リバー」をセッション。鳴り止まない歓声と拍手の中、5年目の京都音楽博覧会は幕を閉じました。

セットリスト
1.奇跡 / 2.旅の途中 / 3.砂の星 / 4.BABY I LOVE YOU / 5.京都の大学生 / 6.いっぽ / 7.バンドワゴン / 8.おはら節 / 9.ブレーメン / 10.宿はなし / 11.リバー(w/TAKUMA(10-FEET)、フジファブリック、細野晴臣、マイア ヒラサワ、斉藤和義)