【クラクラするはなし。】7月7日。七夕もいいけど、今日はマーラーさんの150歳のお誕生日ですよ。
はいどうも一号です。今日は7月7日七夕。織姫と彦星がキャッキャウフフな日ですが、一方で作曲家のグスタフ・マーラーさんのお誕生日でもあるんです。
マーラーさんは御年150歳。長生きですねー。
はい、さっそく* ゚・*:.。.:*・゜+ d(*´∀`)b うそです +.:*・゜゚・*:. *
さすがにもう死んでますねー。とっくの昔に死んでますねー。死んではいるんですけど、一号はマーラーさんのファンなのでお誕生日を勝手に祝いたいと思います。
マーラーさんはどんな人?
一言でいうと、すごい人ですねー...。もちろん会ったことはないので伝え聞いたことでしかないのですが、マーラーさんは指揮者としてたいへん有能な人でした。常識にとらわれない楽曲理解、そしてそれを身振り手振りで型にはまることなく表現する指揮法は、カリカチュア化されていくつも残されています。マーラーさんが若い頃は「3大B」のうちの一人であるブラームスさんも生きていたのですが、彼の振った「ドン・ジョヴァンニ」を絶賛したという話があります。ブラームスさんは相当気難しくてなかなか人をほめない人だったので、本当に素晴らしかったんでしょう。ただ、マーラーさんは有能ではありましたが同時に暴君だったので、人間関係や大衆からの評価には悩まされた生涯でした。カリカチュアも当時の大衆の皮肉が込められた、多少悪意のあるものです。
そんな一流指揮者としての活動の裏で、マーラーさんは作曲をし続けました。結果的に、マーラーさんは交響曲の大家になり、歌曲の大家にもなりました。多くの作曲家がそうであったように、存命時代はなかなか曲の評価は得られなかったようですが、マーラーさんをとりかこむいろんな柵が消えた現代では正当に評価されています。
実際、「交響曲の父」であるハイドンさんからはじまった「交響曲」というジャンルは、マーラーさんで一つのトドメを刺していると思います。マーラーさん以降の交響曲の大家というとロシアのショスタコーヴィチさんがいるのですが、彼は音楽的な意味で交響曲というジャンルそのものを拡大させたマーラーさんとは違って、政治や時代の色濃い音楽を書いた(欠かざるを得なかった)人なので、ヨーロッパ(特にウィーン)に根のあるいわゆる西洋音楽とは少し毛色というか経路が違います(しかしショスタコーヴィチさんもたいへん素晴らしい曲をたくさん残しています)。
マーラーさんの「交響曲」
交響曲がどんなジャンルか、ということに関してはもうめんどくさいのであまり説明しませんが、まあオーケストラがあって指揮者がいてジャジャジャジャーンとやるのが交響曲です。交響曲一曲は多楽章にわたり、その多くは4楽章で構成されます。聴くにも弾くにもそんくらいがちょうどいいんですよね。
が、そこで形式にとらわれないのがマーラーさんです。彼の交響曲はまず5楽章だわ、器楽が中心の交響曲の中で歌唱を中心に据えてくるわ、楽器にムチとかハンマーとかカウベルを持ち出すわ、演奏者が1000人(観客数じゃないですよ)超える曲書くわ、とんでもないことばかりした人です。指揮者にもよりますが、平均的にどの交響曲も1時間を超えるのが普通で(他の作曲家は長くても1時間が普通)、聴く方としてはたいへんしんどい。音楽的にも濃密なので、とても通勤時間に聴き流せない。お勤めの方は休日にオーディオの前に正座して集中して聴くという人もおられるかと思います(私がそうです)。
でも、中には非常に聴きやすい曲もあったりするのです。今日はそれ紹介して終わりにしときたいと思います。
七夕に聴きたいマーラーさんの曲
マーラーさんを知らずとも、虜になってしまう1曲をご紹介します。交響曲第5番より4楽章「アダージェット」です。
この映像は曲の後半のみの映像なので本来はこの倍の長さがあるのですが、まーとにかく美しい曲ですね。この楽章のみ弦楽五部とハープのみという編成になるので管とかその他の楽器の人は暇そうですが、案外聞き惚れてうっとりしてるかもしれないですね。
なぜ「七夕に聴きたい」なんて書いたかというと、マーラーさんはこの曲を書いていた当時、生涯の伴侶となるアルマさんと出会うのですね。だからこの大変儚く、それでいて大きな高まりを伴うアダージェットは「マーラーさんからアルマさんへの音楽のラブレター」と考えられています。ハープの星の輝きにのせて、訥々と愛の言葉を弦楽でつぶやく。なんつーロマンチックな、と思いますが、七夕くらいはそんなことも言います。
この映像の指揮者はレナード・バーンスタイン(あだ名は「レニー」)さんという人ですが、彼はマーラーさんの曲に対して「自分で書いたような気がしてくる」というほどマーラーさんの曲の演奏を得意とした人です。そんなレニーの演奏を「主観的すぎる」と嫌う人もいて、確かにそうだなと思うところもあるんですが、いろんな演奏を聴いてなお、中庸で作曲家の指示を忠実に守っているはずの演奏よりも、レニーの独断と偏見に満ちた演奏のほうが「マーラーさんらしい」と思うから不思議です。
興味がある人は、レニーによる下記CDを聴いてみるといいと思います。まずは4楽章のアダージェットから。その後でまだ興味があれば、他の楽章も聴いてみてください。それでもなおまだマーラーさんに興味が尽きなければ、他の交響曲も聴いてみてください。たぶんそうやって好きになっていくのがマーラーさんです。
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なにはともあれ、マーラーさん、150歳おめでとう!