【Ustレポート】「故郷は地球〜国籍不明弾き語りサミット#2」出演:日比谷カタン、ジョンソンtsu、本田未明(fromスズメンバ)
日比谷カタン、ジョンソンtsu、本田未明(from スズメンバ)という個性豊かな方々のライブをUSTさせて頂きました。
トップバッター。まずはスズメンバから本田未明さん。ストラトとペダルで操るリズムボックスで弾き語りのスタイル。「いまだ出会えぬ聴きたい音楽を聴くべく、自ら作ったらこうなった。ギターポップでエレクトロで思春期フォークでピコピコ電子ジャズなスーパーハッピーミュージックバンド・スズメンバを率いる京都の奇才ホンダミメイ」というフレコミ通りのお方でした。素朴でストレートなうたに、破壊的なリズムボックスの音が加わることで、聴いたことのないアーシーなサウンドが形成されるっていう、小編成ながらもデカい演奏でした。
二番手、ジョンソンtsu。ジョンソンさんは外国の方なのでどうしてもやっぱり言葉の壁がね・・・などということは全くありませんでした。いや、言葉自体は通じないんですけど、会場とジョンソンさんのコールアンドレスポンスはもう正直完璧な域まで高められていました。いやー話せないはずなんだけど会場入り前にiPhone4買ったとか、ムジカジャポニカがどうとか、なんか色々とジョンソンさんとお話したような記憶があるのは、きっと音楽で心が通じ合ったからですね!
※USTのソフトウェアの都合でジョンソンさんだけ録画できず・・・また配信やらしてください!
そして真打、日比谷カタン!ジョンソンさんの影響でカタンさんもちょっと日本語をお忘れになってしまうハプニングがありましたが、そこはやっぱり音楽の力でカバー。いやあ、音楽って本当にいいもんですね(水野晴郎風に)。真面目な話、パフォーマンス生で初めて観たんですけど、もう心折れるくらいすごかった。ベートーベンかシューベルトかベルリオーズが「ギターは小さなオーケストラである」とか言ってるわけですが、それは、「ひとつの楽器で多彩な音色が出せる」という意味だと思うんですよ。カタンさんの場合は、音色だけでなく音圧もオーケストラレベルだからすごい。オーケストラっていうか一個小隊が機関銃ぶっぱなしてるような音の突風。ほんと、恐れ入ります。もちろんギターだけではありませんで、歌も、「カタン節」も絶好調でした。
ところで、イベントタイトルの「故郷は地球」とは、ポスターにも描かれているウルトラ怪獣・ジャミラが登場する回のタイトルです。詳しくはWikipediaを参照してほしいのですが、ジャミラはもともと宇宙開発のために地球を飛び立った人間で、事故で不時着した惑星で救助を待っているうちに怪獣化してしまいます。ジャミラは復讐のため地球に舞い戻りますが、ジャミラの母国の当局は事実を隠蔽するため「人間ということを明かさず怪獣として処理しろ」という残酷な要請を科学特捜隊にするわけです。結果ジャミラはウルトラマンの手によって倒されるのですが、何が正義なのか、ジャミラの生は罪だったのか、と考えさせられるところの多いお話です。
「故郷は地球」とイベント名につけているのは、国籍不明な音楽をやっていて「故郷はどこそこというより、地球」という人を集めているかららしいのですが、ジャミラの不幸と自分を重ね合わせて「生まれてこなければよかったのにね」とかさらっと言ってしまうあたりはさすがカタン先生と思わざるを得ませんでした。
「対話の可能性」とか、精力的な活動をされているカタンさん。またその魅力の一部をお伝えするお手伝いができたらな、と思いました。出演された皆様、ご協力頂きましたアバンギルドの皆様、どうもありがとうございました!