京都で宿泊するならこのお宿で決まり!
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京都を代表する名旅館、柊家(ひいらぎや)。2年続けてミシュランの星を獲得していますが、柊家には、そんな騒ぎとはまるで関係無く時が流れているようです。京都の街中とは思えないほど静謐で安らぎに満ちたお宿は、ノーベル文学賞作家、川端康成の愛した旅館としても知られています。
玄関に掲げられているのが「来者如帰」の額です。家に帰ってきたように温かく、家族のことを思うようにおもてなしをするという、柊家の精神を今に伝える言葉です。
文政年間に創業し、以来、200年にわたり旅人をもてなしてきた柊家ですが、2006年に新館を建て、さらに新しい魅力を併せ持つことができました。
新館では、1階はもちろん、2階のお部屋からでも丹念に手入れされたお庭が眺められます。過剰な装飾を廃しながらも端正な佇まいを見せるのは、贅沢な材料を惜しげもなく使うからこそ可能となったもの。ヒノキの柱、漆喰の壁、高野槙の浴槽、本漆の床の間の床板。湯桶は人間国宝・中川清司さんの手によるもので、随所に女将のこだわりが垣間見えます。器、浴衣、便せん、襖の引き手、壁など、あらゆるところに屋号の柊(ひいらぎ)があしらわれていますので、それを見つけるのも楽しみです。
京都の棟梁の技と柊家の伝統の重みが融合し、本当に贅沢な7室となりました。京都人も、一度は泊まってみたいと憧れるほどです。
柊家の宿泊には、夕食と翌日の朝食が付いています。夕食は、近海物や京野菜を贅沢に使った目にもうれしい京風懐石料理。四季折々の新鮮な旬の材料を吟味して調理し、清水焼など選りすぐった器を使って供されます。お好みに応じて鍋物、一品料理なども予約可能。旅館でありながらも、ミシュランの星にふさわしい料理人の腕の冴えを感じられます。朝食も、季節を取り入れた品々が並びます。洋食と和食から選択できるのもうれしいところです。
柊家には、川端康成が柊家のために書いた原稿が残っています。
京都ではいつも柊家に泊まって、あの柊の葉の模様の夜具にもなじみが深い。京に着いた夜、染分けのやはらかい柊模様の掛蒲団に、女中さんが白い清潔なおほいをかけるのを見てゐると、なじみの宿に安心する。遠い旅の歸りに京へ立寄った時はなほさらである。
柊の模様は夜具やゆかたばかりでなく、湯呑や飯茶碗などの瀬戸物にも、みだれ箱や屑入れなどにも、ついてゐるのだが、その柊は目立たない。またそれらの調度は、十年、二十年、戦時も戦後も変らない。ずいぶん多く用意してあったとみへる。この目立たないことと変らないことは、古い都の柊家のいいところだ。昔から格はあっても、ものものしくはなかった。
京都は昔から宿屋がよくて、旅客を親しく落ちつかせたものだが、それも変りつつある。柊家の万事控目が珍しく思へるほどだ。京のしぐれのころ、また梅雨どきにも、柊家に座って雨を見たり聞いたりしてゐると、なつかしい日本の静けさがある。私の家内なども柊家の清潔な槇の木目の湯船をよくなつかしがる。わたしは旅が好きだし、宿屋で書きものをする慣はしだが、柊家ほど思ひ出の多い宿はない。
打ち水がされ清められたお玄関に立つと背筋が伸びるような気がしますが、「格はあっても、ものものしくはなかった」という川端康成の言葉の通り、家族的なぬくもりのあるおもてなしに、「また来たい。またここに帰ってきたい。」と心から思わせてくれるお宿。それが柊家です。
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