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【KYOTOGRAPHIE2023】ボリス・ミハイロフ「Yesterday's Sandwich」
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2023のメインプログラム。ウクライナ出身の写真家、ボリス・ミハイロフの写真を使用したスライドショー形式の展覧会です。
ボリス・ミハイロフは1938年、ウクライナのハルキウで生まれました。ウクライナを代表する写真家である彼の仕事は常に先進的で、ドキュメンタリー写真からコンセプチュアルな作品、絵画、さらにはパフォーマンスまで、多岐にわたっています。
本展で公開する《Yesterday's Sandwich(昨日のサンドイッチ)》は、ミハイロフがアーティストとしてのキャリアをスタートさせて間もない、1960年代末から1970年代にかけて制作された作品です。
この作品の原点は、ソ連の社会主義体制下では発表することができない写真をまとめたシリーズのうち、2枚のスライドフィルムがミスによってくっつき、重なり合ってしまったことでした。偶然が生み出す効果に魅了されたミハイロフは、都市の風景や軍事パレード、女性のヌードなどが偶発的に組み合わされ、詩的な対比を描き出すスライドショーを数多く制作したのです。それは、ソ連の全体主義的政治体制が人々の日常生活に及ぼす影響を浮き彫りにする作品でもありました。
半世紀以上もの間、ミハイロフは母国ウクライナがソビエトの社会主義体制に侵食されていくのを間近で見ていました。彼が写真を通して構築する物語は間違いなく、今日起きている時事に対する新たな視座を、私たちに与えることでしょう。
21世紀にはまさか起こるはずがないと誰もが思っていた軍事侵攻が、今なおウクライナの地では続いています。ミハイロフ夫妻の故郷であるハルキウもこの戦争によって大きな被害を受けました。その事実が、この展覧会を寄り一層痛切なものにしています。
画面に捉えられた被写体と作家の間に結ばれていた感情的・政治的な関係性は、この戦争によって取り返しのつかないかたちで変質してしまいました。戦争という悲惨な状況において、私たちは、ウクライナの人々を支援し、また危機に瀕しているウクライナの文化を国内外で支援する必要に迫られています。
そうした中でミハイロフの作品を展示することは、特別な意味を持ちます。優れた感性と独創性を持つ一人のアーティストの目を通して語られる「Yesterday's Sandwich」は、逆境に立ち向かい、強く生き抜くことの意味を私たちに示し続けている人々に捧げる讃歌なのです。
ボリス・ミハイロフ
1938年ウクライナ・ハリコフ(ハルキウ)生まれ。独学で写真を学び、ソビエト連邦の崩壊に伴うウクライナの激変とその悲惨な結末を、1960年代から心に残る記録として残した。エンジニアとして教育を受け、就職した国営工場にて記録のためにカメラを渡される。そのカメラで妻のヌード写真を撮影し、KGBの工作員に見つかって解雇される。その後、ソ連流の暮らしを普及すべく理想化されたプロパガンダのイメージに反発し、本格的にカメラを手にすることを決意。ジャンルにとらわれることなく数多くの作品を制作し、独自の芸術表現を構築していった。ボリス・ミハイロフと妻のヴィータは、ベルリンとハリコフを行き来して暮らしている。2022年、パリのヨーロッパ写真美術館にて大規模な回顧展が開催された。
展覧会概要
期間 | 2023/04/15(土) 〜 2023/05/14(日) |
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会場・開催場所 | 藤井大丸ブラックストレージ |
時間 | 11:00~19:00(入館は18:30まで) |
休館日 | 4/18(火)、4/25(火)、5/9(火) |
料金 | 《単館チケット》 大人:800円 学生:600円(要学生証提示) ※中学生以下・障害者手帳をご提示のご本人様と同伴者1名は無料 ※パスポートでの入場は会期中1回のみ有効(エクスプレス・パス利用者を除く) |
注意事項等 |
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info@kyotographie.jp | |
ホームページ | https://www.kyotographie.jp/programs/2023/boris-mikhailov/ |
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