Exhibitions展覧会
HARADA-san 高橋耕平展
映像作品を主体に活動している京都の作家、高橋耕平の個展。今回は京都のギャラリー界隈で知られるアートウォッチャー「はらださん」に対するドキュメンタリー形式の作品で構成。1時間に及ぶ映像を中心としたインスタレーションで、検証不能な個人の事を展示し「真実」の不確かさを顕在化させます。
© Takahashi Kohei
京都出身の現代アーティスト、高橋耕平(たかはし・こうへい/1977~)による個展です。
高橋は、京都精華大学で版画と写真を学び、大学院芸術研究科を2002年に卒業。
その後は、アーティストとしての個人活動のみならず、アートユニットでの発表やコラボレーションワークなどにも精力的に取り組むほか、自主企画によるグループ展の企画やオルタナティブ・スペース「MUZZ PROGRAM SPACE」の設立・運営など、幅広い活動を続けています。
2006年からは、高橋は特に映像メディアを用いた作品制作・発表に取り組んでいます。
「反復」や「複製」などのキーワードを手がかりに、同じ動作やイメージの反復によってそこに「比較や差異」への思考を介入させ、「固有」であることの定義や条件を問いかける作品を発表しています。
これらは映像表現でありながら、高橋が設定したルールや条件を基にしたいわば「演劇的」なパフォーマンスの記録という側面をも合わせ持ち、そこに「記録・演出・アクシデント・編集」といった要素が意図的に混在することで、「映像」が特定のコンテクストを形づくることを回避しています。
今回の個展「HARADA-san」は、京都のギャラリー界隈では有名な存在であるアートウォッチャー「はらださん」への数ヶ月に渡る撮影・取材をもとにしたドキュメンタリーを中心に構成されます。
はらださんの京都市内のギャラリー巡りの様子から、日本のアート界及び日本社会に対する提言、生活の様子、ギャンブル、愛用の自転車の手入れ、思い出の場所への訪問、撮影者(高橋)とのやりとりなどによる映像は、1時間にも及びます。それはこれまでに高橋の作品に見られた「要素の均質化によるコンテクストの不成立」から一転し、「はらださんの個人史」という生々しい文脈をなぞりながら進行していきます。
これまでの「演劇的」な構造から離れ、「他者のありのままのドキュメント」という形式を纏って紡がれるこの「はらださん」による「はらだ史」は、一見して「真実」として鑑賞者に受け入れを迫ります。しかし、それが事実を再演(反復・複製)されるなかで編集された、いわば「事実の記憶」という検証不能な物語であることや、ドキュメントという形式が内包する他者(撮影者)の存在に思い至る中で、鑑賞者は次第に「真実(唯一)」を疑い(あるいは信じ)はじめます。
真実・架空・事実・演出・記録・物語など、すべてがこれまで以上に混沌とした作品を見終えた時、果たして「鑑賞者にとってのはらださん」はどのような存在となっているのでしょうか。会場にてご確認ください。
※高橋耕平は、2014年2月に京都芸術センターにて「作家ドラフト2014 高橋耕平『史と詩と私と」展」を開催します。今回の個展はそれに先駆け、内容・構造の一部を補完しあう構成となっています。
■ 高橋耕平 公式サイト http://takahashi-kohei.jp/
展覧会概要
期間 | 2013/12/06(金) 〜 2013/12/27(金) |
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会場・開催場所 |
Gallery PARC
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時間 | 11:00~19:00(金曜日は~20:00/月曜休廊) |
料金 | 無料 |
お問い合わせ |
TEL:075-231-0706075-231-0706
FAX:075-231-0706 |
info@galleryparc.com | |
ホームページ | http://www.galleryparc.com |
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