Exhibitions展覧会
【KYOTOGRAPHIE2023】ジョアナ・シュマリ「Alba'hian」
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2023のメインプログラム。コートジボワールのアビジャンを拠点に活動するアーティスト、ジョアナ・シュマリの個展です。
タイトルの「Alba'hian」はアニ語(コートジボワールのアカン系民族の言語)で「一日の最初の光」「夜明けに差す太陽の光」を意味します。
毎朝、夜明けの時間帯にシュマリは起床し、散歩に出かけます。ゆっくりと姿を現していく大地や建物を眺めることから、シュマリの一日はスタートします。朝の光が物質世界の姿を徐々に明らかにしていくのと同じように、この観察を通して、シュマリは自分自身の思考や現実認識の変化に気付いていきます。朝の散歩は彼女にとって、自分を見つめる儀式のようなものなのです。
朝の散歩の際には、シュマリは風景を写真に撮ることを習慣としています。その写真に、コラージュや刺繍、ペインティングやフォトモンタージュなど、様々な技法を組み合わせながら、何枚もの薄い布のレイヤーを重ね合わせます。そこには道行く人々のシルエットが写し出されています。そうして、アーティスト自身の朝のひとときの体験に隠された意味や啓示を想像させる「toile=キャンバス」が生まれます。シュマリの作品は、記憶や夢を構成する素材と同じものでできていると言えるかもしれません。長い時間をかけていくつものレイヤーを縫い合わせ、布の上にモチーフやドローイングの刺繍をほどこしていくプロセスは、まるで瞑想のようにも感じられます。
シュマリの作品の全体像を捉えるのは、容易ではないかもしれません。その美しさや複雑さは、朝の散歩のように、ディテールをひとつひとつ確認していくプロセスを経てはじめて、把握することができるのです。すべてのピースを丁寧に辿っていく過程は、まるで隠された宝物を探すかのようです。
それはシュマリと母国との関係にも似ています。シュマリにとって母国の大地は、自らの生命力を最も強く感じられる場所、どこに行っても詩的な感性に包まれているように感じる場所、活力や美を再生し続けている場所なのです。
ジョアナ・シュマリ
1974年生まれ。コートジボワールのアビジャンを拠点に活動するビジュアルアーティスト、写真家。カサブランカ(モロッコ)でグラフィックアートを学び、広告代理店でアートディレクターとして働いた後、写真家としてのキャリアをスタートさせる。主にコンセプチュアルなポートレート、ミクストメディア、ドキュメンタリー写真に取り組む。シュマリの作品の多くはアフリカに焦点を当て、アフリカの無数の文化について学んだことを表現している。
主な受賞歴に、「CapPrize Award」(2014)「Emerging Photographer LensCulture Award」(2014)など。2019年には、「希望」をテーマにしたシリーズ「Ça va aller」で、第8回「プリピクテ」のアフリカ人初の受賞者となる。
著作に『HAABRE, THE LAST GENERATION』(2016)がある。2020年、ハーバード大学ピーボディ考古学・民族学博物館のロバート・ガードナー・フェロー(写真部門)に任命された。
展覧会概要
期間 | 2023/04/15(土) 〜 2023/05/14(日) |
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会場・開催場所 | 建仁寺塔頭 両足院 |
時間 | 10:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 4/19(水)、4/20(木)、4/27(木)、5/11(木) |
料金 | 《単館チケット》 大人:1,000円 学生:800円(要学生証提示) ※中学生以下・障害者手帳をご提示のご本人様と同伴者1名は無料 ※パスポートでの入場は会期中1回のみ有効(エクスプレス・パス利用者を除く) |
注意事項等 |
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info@kyotographie.jp | |
ホームページ | https://www.kyotographie.jp/programs/2023/joana-choumali-2/ |
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