Exhibitions展覧会
10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭【KYOTOGRAPHIE2022】
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022のメインプログラム。将来の活躍が期待される日本の女性写真家10名の作品を展示する展覧会です。
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭の10周年を記念して行われるこの展覧会は、ポリーヌ・ベルマール(インディペンデント・キュレーター、写真史家、元マグナム・フォト カルチュラルディレクター、元ニューヨーク国際写真センター キュレーター)とKYOTOGRAPHIEの共同設立者・共同ディレクターのルシール・レイボーズ&中西裕介が共同でキュレーションを担当しています。
会場は京都在住の建築家・小西啓睦氏考案の巡回にも対応できる汎用性・持続性に優れた自然素材を用いた構造体で構成されています。
10名の作家それぞれの個展を開催する形式で、各作家独自の視点や考察を作品を通して世界に向けて紹介します。
※この展覧会は、ケリング社の「ウーマン・イン・モーション」の支援を受けています。「ウーマン・イン・モーション」は、芸術や文化の分野で活躍する女性に光を当てることを目的に2015年に発足。以来、様々な芸術分野における女性の地位や認識について理解を深め、変化を促すためのプラットフォームになっています。
※この展覧会は、会場設計の都合上一度に鑑賞できる人数に限りがあるため、事前予約制となります。あらかじめオンライン日時指定予約の上、ご来場ください。→ 予約ページはこちらから
会場・アクセス
〒604-8173 京都市中京区柿本町412(両替町通姉小路下ル)
【地下鉄】烏丸線・東西線「烏丸御池」駅下車、6番出口より徒歩2分
出展作家
地蔵ゆかり「ZAIDO」
東京都出身。音楽大学卒業後、作曲家・編曲家・プログラマーと様々な仕事を経て、写真かとして活動。国内外で個展・グループ展を多数開催し、作品はフランス国立図書館、アメリカのヒューストン美術館・グリフィン美術館等に所蔵。
2016年にSTEIDL BOOK AWARDを受賞、2020年に『ZAIDO』がSTEIDL社より出版され、Photo-eye、VOGUE、LensCulture、PhotobookStore、1000 Words、All About Photo.com、Vanity Fairなどの「2020年のベスト写真集」等に選ばれる。
「ZAIDO」は「祭堂」と呼ばれる祭事を中心に、様々な困難を乗り越え伝統文化を継承する人々の姿を追った作品。絶望の中から生まれる希望をテーマに撮影を続けている。
林典子「Sawasawato」
神奈川県生まれ。イギリスのフォトエージェンシーPanos Picture所属。「ニュースにならない人々の物語」を国内外で取材。「ビザ・プール・リマージュ」(フランス)金賞、NPPA全米報道写真家協会賞1位など受賞。英GRANTA誌、米New York Times紙、National Geographic誌、独Stern誌、仏ル・モンド紙、英ガーディアンなどに写真や記事を寄稿している。 主な著作に『キルギスの誘拐結婚』(日経ナショナル ジオグラフィック社)、『ヤズディの祈り』(赤々舎)、『フォト・ドキュメンタリー 朝鮮に渡った「日本人妻」─60年の記憶』(岩波新書)。
「sawasawato」は北朝鮮に暮らす日本人妻をテーマにした長期プロジェクトでによる展示。空間と場所の概念と、それらが個人の記憶と社会的記憶の表象にどう関連してきたかを考察しながら、日本と朝鮮半島を交差する個々の物語を記録している。
細倉真弓「NEW SKIN」
東京/京都在住。立命館大学文学部、及び日本大学芸術学部写真学科卒業。主な写真集に『NEW SKIN』(MACK 2020)『Jubilee』(artbeat publishers 2017)、『transparency is the new mystery』(MACK 2016)などがある。主な個展に「Sen to Me」(Takuro Someya Contemporary Art 2021 東京)、「NEW SKIN |あたらしい肌」(mumei 2019 東京)、「Jubilee」(nomad nomad 2017 香港)、他グループ展多数。
“触覚的な視覚”を軸に、身体や性、人と人工物、有機物と無機物など、移り変わっていく境界線を写真と映像で扱う。
稲岡亜里子「Eagle and Raven」
京都府生まれ。写真家・本家尾張屋16代当主。17歳で渡米した高校時代に写真と出会い、ニューヨークのパーソンズ美術大学写真科へ進学。卒業後ニューヨークを拠点に写真家として活動。2002年に訪れたアイスランドの水のある風景に魅せられ、5年に渡り撮りためた作品を2008年に初写真集『SOL ARIKO』(赤々舎)として発表した。
「Eagle and Raven」はアイスランドで出会った双子の姉妹を8年に渡り取材し撮りためた作品からなり、2020年に2冊目の写真集として発表した。この取材の間、2014年に創業550年を超える家業の当主を継ぐ。現在は老舗蕎麦店当主と写真家、二つの顔で活動を続けている。
子どものころには見えていた、目には見えない存在。日本人の魂の奥深くに流れるアニミズムが、稲岡の一貫した作品テーマである。
岩根愛「A NEW RIVER」
東京都出身。1991年に単身渡米、ペトロリアハイスクールに留学し、電気に頼らない自給自足の暮らしの中で学ぶ。帰国後1996年より写真家として活動を開始。2018年『KIPUKA』(青幻舎)で第44回木村伊兵衛写真賞、第44回伊奈信男賞受賞。ドキュメンタリー映画「盆唄」(中江裕司監督作品、2018年テレコムスタッフ)を企画、アソシエイト・プロデューサーを務めるなど、離れた土地の見えないつがなりを発見するフィールドワーク的活動を続ける。
2020年、東北地方を中心に各地の桜や伝統芸能の舞に取材した最新作品集『A NEW RIVER』を発表した。本展はこちらをベースに展示を行う。
岡部桃「ILMATAR」
1981年東京都生まれ。2004年日本大学芸術学部卒業。主な受賞歴に「写真新世紀優秀賞受賞(荒木経惟選)」(P3 art and environment 1999 東京)、FOAM's Paul Huf award(Foam Museum 2015 オランダ)など、主な展覧会に「Dild&Bible」(Foam Museum 2015 オランダ、成山画廊 東京)などがある。刊行した写真集に『UNSEEN/TSUNAMI(with Kohey Kanno)』(Dashwood Books 2012)、『DILDO』(session press 2013)、『BIBLE』(session press 2014)、『イルマタル』(まんだらけ 2020)がある。
本展は日本初出版作品集である『イルマタル』をベースにしたもの。非性愛者としての彼女が妊娠・出産という大きな経験を経る中で撮影された作品を展示する。
清水はるみ「mutation/creation」
1989年生まれ、東京都在住。主な個展に「The Plants in the Voynich Manuscript」(IMA gallery 2019年)、「OPEN FRUIT IS GOD」(gallery blanka 2015)、「icedland」(Place M 2014)。主なグループ展に「浅間国際フォトフェスティバル」(長野 2019)、「LUMIX MEETS BEYOND 2020 by Japanese Photographers #4」(アムステルダム、パリ、東京 2016)などがある。
風景やスティルライフを中心に撮影しており、自然の中に立つ十字架のシリーズや突然変異の動植物を記録するシリーズに継続して取り組んでいる。
鈴木麻弓「豊穣」
1977年宮城県女川町生まれ。2001年日本大学芸術学部写真学科卒業。ヴィジュアルストーリーテラーとして、個人的な物語を通し作品を生み出している。
2011年、東日本大震災で故郷・女川が津波に襲われ両親が行方不明になったことを機に、故郷に足しげく通い地域の人々の前に進む姿を記録し続けている。2017年に自費出版した『The Restoration Will』でPhotobooxグランプリ受賞(イタリア)、 2018年PHOTO ESPANA国際部門・年間ベスト写真集賞(スペイン)など、欧州の写真アワードで大きく評価された。
「豊穣〈Hōjō)」は、2020年より取り組んでいる自身の不妊治療経験を描いた新作シリーズである。
殿村任香「焦がれ死に」
1979年生まれ。大阪ビジュアルアーツ放送・映像学科卒業。2008年、自身の家族の日常を赤裸々に撮った『母恋 ハハ・ラブ』を赤々舎より出版し鮮烈にデビュー。2013年には、ホステスとして夜の人々と生きながら撮った『ゼィコードゥミーユカリ』をZen Foto Galleryより出版し発表。以後、精力的に作品を発表し、2019年にがんと闘い向き合う女性のポートレートプロジェクト「SHINING WOMAN PROJECT」を立ち上げ、2020年に『SHINING WOMAN #cancerbeauty』をZen Foto Galleryより出版し発表した。香港やロンドン、パリなど海外での活動も目覚ましい。
「焦がれ死に」は日常を生きる中で出会う悲喜交々を、時に妖艶な女体やグラフィカルな夜の街の景色など、様々な題材を通じて殿村流「愛の劇場」ともいえるラブストーリーとして仕立てた作品である。
吉田多麻希「Negative Ecology」
兵庫県生まれ。幼少期の影響で生き物好きに育ったこともあり、自然な流れで、日々移り行く世の中や、流行りが去ったと共に、忘れられる自然や生き物の姿を気にかけるようになった。2018年より自身の身に近い生物や自然の持つエネルギーを表現することを試みるため、サーモグラフィーカメラを使用して生物の息吹を可視化させる作品の制作に着手。この作品で2019年キヤノン写真新世紀優秀賞受賞した。
また、現代の社会問題と自然や生き物への敬愛を同時に表現するためリサーチを開始。その結果を関連付ける実験的で抽象的な表現を試み、継続中のプロジェクトである「Negative Ecology」で2021年「KG+SELECT」にてグランプリを受賞。今回はそれを受けて、KYOTOGRAPHIEプログラムとして展示を行う。
※吉田の「吉」は本来は土よし表記
展覧会概要
期間 | 2022/04/09(土) 〜 2022/05/08(日) |
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会場・開催場所 | HOSOO GALLERY |
時間 | 10:30~17:30(入場は17:00まで) |
休館日 | 4/12(火)、4/19(火)、4/26(火) |
料金 | 【単館チケット】 一般:1,500円 学生:1,200円(学生証をご提示ください) |
注意事項等 |
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お問い合わせ | TEL:075-708-7108075-708-7108 |
info@kyotographie.jp | |
ホームページ | https://www.kyotographie.jp/ |
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