Exhibitions展覧会
マリー・ローランサンとモード
二つの世界大戦に挟まれた1920年代のパリ。それは様々な才能がジャンルを超えて交錯した、奇跡のような空間でした。本展では、この時代に活躍した女性画家マリー・ローランサンと、デザイナー ココ・シャネルの活躍を軸に、1920年代パリの芸術界を俯瞰します。
1920年代のパリ、それは戦争の惨禍を忘れるかのように生きる喜びを謳歌した「狂乱の時代(レ・ザネ・フォル)」でした。この熱気渦巻くパリで活躍したマリー・ローランサンとココ・シャネル。奇しくも同じ年に生まれたふたりは、美術とファッションという異なる分野に身を置きながら互いに独自のスタイルを貫き、まさにこの時代を象徴する存在でした。
また、1920年代のパリは“越境”が1つのキーワードとなっていました。スペインからはピカソ、アメリカからはマン・レイ、そして日本からは藤田嗣治と、世界中の若者たちがパリに集い、その才能を開花させています。また、美術や音楽、文学、ファッションなど別々の発展を遂げてきた表現が“ジャンルを越えて”手を取り合い、新たな総合的芸術が生み出されました。その代表が「バレエ・リュス」。ロシア出身の芸術プロデューサー、ディアギレフが主宰しフランスを中心に活躍したこのバレエ団は、当時のパリを象徴する存在でした。ローランサンとシャネルもこの活動に参加し、表現の幅や新たな人脈をひろげる糸口をつかみました。
そして、絵画や彫刻に比べ、ファッションなどの装飾美術はまだ低い評価を受けていました。これを打破すべく1925年現代産業装飾芸術国際博覧会、通称「アール・デコ」博が開催されます。アール・デコの潮流はその後1930年代にかけて続く一大ムーブメントとなり、さまざまな分野に影響を与えました。
また、1920年代はローランサンやシャネルのように、女性たちが社会進出することで新たな女性像が形成された時代でもありました。そこで登場したのが「モダンガール」。それまでのコルセットで腰を締め付けたり華美な装飾で動きにくいドレスから、更に活動的・実用的な服装が打ち出されていきました。ファッション雑誌も写真に可能性を見出し、マン・レイなど気鋭の写真家が活躍し、斬新な表現や躍動感のある女性像を提示しました。
本展では、オランジュリー美術館やマリー・ローランサン美術館など国内外のコレクションから、マリー・ローランサンの絵画作品、ココ・シャネルをはじめポール・ポワレ、マドレーヌ・ヴィオネなど1910~1930年代のファッションの変遷を象徴するドレス、関連資料など、約90点を展示。モダンとクラシックが絶妙に融合する1920年代パリを見つめます。
また、京都会場の特別展示として、1983年から36年間シャネルブランドのデザイナーを務めたカール・ラガーフェルドが、マリー・ローランサンの色使いから発想し2011年に発表したオート・クチュール・コレクションのドレスを、元になったローランサンの作品と共に紹介します。百年近い時を経て新たなモードの中で蘇り、融合した1920年代のモードをご高覧ください。
展覧会概要
期間 | 2023/04/16(日) 〜 2023/06/11(日) |
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会場・開催場所 |
京都市京セラ美術館
本館 北回廊1階 |
時間 | 10:00~18:00(入場は17:30まで) |
休館日 | 月曜日 |
料金 | 一般:2,000円(1,800円) 大高生:1,500円(1,300円) 小中学生:700円(500円) ※()内は前売及び20名以上の団体料金 ※未就学児無料(要保護者同伴) ※障がい者手帳等をご提示のご本人・介助者1名は無料 ※学生証、障害者手帳等確認できるものをご提示ください |
注意事項等 |
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お問い合わせ | TEL:075-771-4334075-771-4334 |
ホームページ | http://www.ktv.jp/event/marie/ |
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