Exhibitions展覧会

小谷元彦 『Terminal Moment』

2014/11/11(火) 〜 2014/12/14(日)

京都芸術センター 

京都出身の世界的現代美術家・小谷元彦による個展です。立体を通じて彫刻の問題を問い続けてきた小谷は、今、は彫刻における「欠落」と人体の関係を軸として、そこに彫刻のイコンや運動の問題を重ね合わせた新作を発表します。ゆかりの街・京都で開催される新作個展、ぜひご注目ください。

京都出身の現代美術家・小谷元彦による個展です。

京都市の中心部で生まれ育った小谷は、東京芸術大学を卒業後、東京や京都、大阪のほか、イタリアやスウェーデン、ドイツ、アメリカなど世界各地で作品を発表し、いまや世界的に活躍する現代アーティストのひとりです。

小谷の生み出す美しい螺旋や曲線を描く構築物、鮮やかな映像作品などは、その完成された美しさで見る者を魅了します。しかし、作品が本来持つ意図に気づいたとき、それは一瞬にして、人間の内側に潜む矛盾や欲望を暴くかのような、鬼気迫る表情へと変化します。狂気や死と隣り合わせの作品は、見てはいけないものを見てしまったかのような衝撃を与えますが、それでもなお、私たちの目に美しく映ります。

今回、小谷は映像を中心とした巨大なインスタレーション2作を展示します。
1つは、バージョン改変後初公開となる《Terminal Documents (ver.2.0)》。会場中央にある巨大プールを覗き込むと、血液のような赤い水が渦を巻いているのが見え、書物を読む少女の声が重なります。それはどこか宗教的儀式を想い起こさせ、見る者を異空間へいざないます。

そしてもう1つは、新作《Terminal Impact (featuring Mari Katayama “Tools”)》です。Terminal Impactとは、歩行時などに膝にかかる衝撃を指す言葉です。今回小谷は、義足で生活する女性作家とのコラボレーションによる映像インスタレーションを構築し、彫刻における「欠落」の問題や運動表現の問題を浮かび上がらせます。

どちらの作品も、多様なメディアを駆使しながらも、常に「彫刻」の問題が横たわっています。
幼い頃から仏像を好んで見に行っていたという小谷は、「美術」「彫刻」という概念が西洋から入ってくる前の、日本人の寛政を掘り起こそうと試みています。多様なメディアを用い、自ら感じ取るものを形にしていくその創作には、表面的なスタイルの類似では語りきれない深いところで、日本人としての感性を示しているようです。
ぜひこの機会にご注目ください。

※この展覧会は、2015年の琳派400年記念祭事業として開催されるものです。

 

小谷元彦

1972年京都府京都市生まれ。1995年 東京芸術大学美術学部彫刻科卒業。1997年 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程 彫刻選考修了。主な個展に「Phantom-Limb」(97年、P-HOUSE、東京)、「Modification」(04年、KPOキリンプラザ大阪、大阪)、 「ERECTRO」(04年、山本現代、東京)、「SP2”New Born”」(07年、山本現代、東京)、「SP4 "the specter" in modern sculpture」(09年、山本現代、東京)、「Hollow」 (09年、メゾンエルメス、東京)、「幽体の知覚」(10年、森美術館、東京以後3カ所巡回)、「Time Tomb」(13年、フォトグラフィスカ、ストックホルム)など。その他、 国内外のグループ展やビエンナーレなどの国際展も多数参加、受賞暦多数。03年にはヴェネチア・ビエンナーレに日本代表作家として参加。
http://www.phantom-limb.com

展覧会概要

期間 2014/11/11(火) 〜 2014/12/14(日)
会場・開催場所 京都芸術センター
時間 10:00~20:00
休館日 会期中無休
料金 無料
お問い合わせ TEL:075-213-1000075-213-1000
FAX:075-213-1004
E-Mail info@kac.or.jp
ホームページ http://www.kac.or.jp/

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