Exhibitions展覧会
特別展「朝鮮考古学のパイオニア 有光教一展 ―我が心のふるさとに捧ぐ」
第二次大戦後の激動の時代。朝鮮に暮らした日本人たちが次々に引き上げる中、朝鮮の地に残り考古学研究に一途に情熱を注いだ有光教一。高麗美術館初代研究所長でもある彼の人物像を、貴重な考古資料や遺跡調査の写真記録、図面などを通してご紹介します。
1907(明治40)年、山口県に生まれた有光教一(元高麗美術館研究所長/1907-2011)。
彼は京都帝国大学(現・京都大学)で考古学を専攻し、濱田耕作、藤田亮策らに師事。1931年に発足した「朝鮮古蹟研究会」助手として慶州へ赴任します。
その後「慶州邑南古墳群」の皇吾里第16号墳や路西里第215号墳の発掘調査に携わり、 1941年からは朝鮮総督府博物館主任を務めました。
1945年8月に太平洋戦争で日本が敗戦すると、朝鮮総督府日本人職員が解任され、在朝日本人のほとんどは日本へ引き揚げました。しかし、その中で有光は、朝鮮駐屯米軍政庁文教部顧問として残留を命じられます。
「外国で、身の安全の保証もないまま年の瀬を越すことになった。不思議な運命としか言いようがない...。湯槽につかって思いめぐらすうち、な るようにしかならん、くよくよしても仕様がないと気づき心和らぐ。大晦日の夜空はいかにと見上げれば、満天の星が地上の騒動や個人の感傷に関係なくキラキ ラと輝いて美しい」 (有光の回顧録より)
その後有光は1946年6月に博多港へ引き揚げるまで、朝鮮に残留する日本人考古学者として韓国初の国立博物館(現国立中央博物館)の開館、そして慶州壺杅塚や銀鈴塚など、朝鮮人の手による古蹟発掘調査を支えました。
朝鮮考古学に対する有光の無垢な熱意は多くの交流を生み、103歳で生涯を閉じるまでその灯火は燃え続けたのです。
この展覧会では、混沌とする社会情勢の中で朝鮮文化財に関わる重要な任務を背負い、朝鮮考古学への探究心を生涯貫いた有光教一の人物像を探ります。
展示にあたっては、これまで未公開だった朝鮮解放前後の朝鮮古蹟調査の動向を示す写真、図面等、貴重な考古資料を多数ご紹介します。
韓国・朝鮮の人々との交流や、高麗美術館の創設者・鄭詔文への想いを通し、有光の残したメッセージを次世代へ伝える展覧会です。
展覧会概要
期間 | 2012/04/01(日) 〜 2012/06/03(日) |
---|---|
会場・開催場所 |
高麗美術館
|
時間 | 10:00~17:00 |
休館日 | 休館日:月曜日(ただし、4/2(月)、30(月・振替休日)は開館) |
料金 | 一般:500円 大高生:400円 中学生以下無料 |
注意事項等 | ※20名以上の団体、および65歳以上の方は2割引となります。 ※障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料です。 |
お問い合わせ |
TEL:075-491-1192075-491-1192
FAX:075-495-3718 |
ホームページ | http://www.koryomuseum.or.jp/2012/01/2012_4163_1.html |
関連アートイベント
該当するアートイベントはございません。
関連記事
該当する記事はございません。