Exhibitions展覧会
ふるさかはるか「積層の器 ことづての声」
木版画家・ふるさかはるかの個展。様々な土地を訪れるなかでその地の暮らしや風土を知り、そこを端緒に木版画を制作しています。本展では、青森県で行ってきた取材を基にした、木版画、ドローイング、ピンホール写真と、その制作途上にある素材やインタビューを展示します。
木や土など、自然素材から作品を制作するふるさか。その土地の土を拾い、藍を育てて絵具を作り、版木を彫り、作品を作る。そのプロセスは素材から自然や暮らしを汲み取る行為でもあるといえます。近年では「自然と共に生きる人びとの言葉や手仕事」をテーマに、自身の手仕事(版画制作)や他者の手仕事を通じて「人が自然から何を読み取り、協調しているのか」について知り・確かめる行為として、取材から木版画制作に取り組んでいます。
ふるさかは2017年より青森県津軽・南部地方で山の手仕事に携わる人々に取材し、彼らの何気ない言葉を題材に作品制作を行ってきました。マタギ(猟師)のほか、ソマ(木こり)や漆掻き(漆の樹液採集をする人)などに地元の伝承や山の手仕事を聞く取材活動は、現在も続いています。2023年にはその集大成として取材・作品をまとめた本の出版と木版画展の開催を予定しています。本展はその前段階、伏線として開催するものとなります。
本展のなかでふるさかは、取材の中で触れてきた・得てきた言葉やものとともに、土と藍の絵具で描いたドローイングや木版画作品、ピンホール写真、作品未満の素材などをあわせて展示します。取材を通してふるさかが得てきた「自然と人間との関わりのあり様」について、知識や言葉における理解から、自らの手を動かすことによる「共感」へと転換する、ふるさかの「手を動かし、知る」の手つきを体感していただけます。
会期中には、ふるさか自らが展示作品・資料について解説するトークイベントや、来年出版予定の本づくりに向けた試作作業をご覧いただける公開制作などのイベントを予定しています。
「絵具や木、紙や道具に至るまで、その土地の気候や環境と密接に関わる木版画はその風土を映し出す」というふるさか。山に生きる人々の生き方と手仕事を、自らの手で、作品を作るという行為を通して理解しようと試みるその活動を、この機会にご高覧ください。
ふるさかはるか
美術家・版画家。1976年大阪府生まれ。1999年武蔵野美術大学油絵学科卒業。2002年より作家活動を開始。フィンランドやノルウェーなど北国での滞在制作・発表の傍ら各地の山を訪ね、近年では自然と共に生きる人々の言葉や手仕事をテーマにした作品に取り組む。2014年の個展「トナカイ山のドゥオッジ」(Gallery PARC)では北欧の先住民族サーミの人々に取材した木版画シリーズを発表した。
2017年の展覧会「土のことづて」(国際芸術センター青森)を機に青森での取材を重ねてきた。
作品制作の傍ら、2010年より「木版画アトリエ空中山荘」を主宰。美術館でのワークショップを通して、手仕事と絵画の要素を併せ持つ木版画の魅力を伝える活動を行っている。
■ 作家Webサイト:https://www.harukafurusaka.net
展覧会概要
| 期間 | 2022/11/26(土) 〜 2022/12/18(日) |
|---|---|
| 会場・開催場所 |
Gallery PARC
|
| 時間 | 13:00~19:00 ※12/10(土)は18:30まで |
| 休館日 | 水・木曜日 |
| 料金 | 無料 |
| 注意事項等 |
|
| お問い合わせ | TEL:075-334-5085075-334-5085 |
| info@galleryparc.com | |
| ホームページ | https://galleryparc.com/ |
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