Exhibitions展覧会

※この展覧会は前期・後期で展示替えがございます。（二館共通）
【前期】10/24（土）～11/30（月）【後期）12/2（水）～1/11（月・祝）

【第一会場】福田美術館「逆境にも負けず」

第一会場となる福田美術館では、近世・近代に活躍した著名な画家たちの作品を中心に、未公開作品を含めてご紹介します。

第1章では、明治・大正・昭和時代の近代画家に注目。市電に轢かれて左足を失っても絵への情熱を失わなかった速水御舟、逆に電車に跳ねられて命を落とした木島櫻谷、最愛の女性を失くした後も生涯制作に励んだ竹久夢二など、悲運に見舞われた画家たちにフォーカスを当てた作品を展示します。
また、上村松園の筆による赤子を海に沈められた《静御前》や、大火事から逃げ惑う人々を描いた小林清親の《久松町の大火図》など、悲劇のドラマを描いた作品も同時に取り上げます。様々な画家による異なる悲しみ・苦しみの表現をご覧下さい。

第2章では、父親の流罪の責で共に罰せられた深江芦舟、毒殺説が唱えられるなどその死に謎が多い長沢芦雪、蛮社の獄により自邸の一室に幽閉され後に切腹した渡辺崋山など、江戸時代に不運な経験をした画家たちを紹介します。普段とは少し違う角度から作品を鑑賞し、画家の人生を共有することが、作品の本質を見抜くかぎとなるかもしれません。

パノラマギャラリーでは第一章でも紹介した速水御舟らの額装作品とあわせ、幼少期から飲酒に溺れたというフランスの画家モーリス・ユトリロの作品も展示。芸術の都パリで起きた画家の悲運を取り上げます。

これらは決して暗く重苦しい作品ではありません。吸い込まれるような色彩や神に入る筆致など、美しい輝きを放つものばかりです。この機会にぜひご高覧ください。

■ 福田美術館：https://fukuda-art-museum.jp/

【第二会場】嵯峨嵐山文華館「忘却にも負けず」

伊藤若冲がけん引する形で続いている昨今の日本画ブーム。しかし他にも多数の才能ある画家がありながら、彼らはまだ時の流れに埋没しているのが実情です。

第二会場となる嵯峨嵐山文華館では、第一会場の福田美術館と同様、人生の悲劇に見舞われた岸田劉生など近代画家の作品を展示。
これに加え、かつては高く評価されていたにもかかわらず、現在一般的にはあまり知られていないという悲運に見舞われた画家たちにフォーカスします。

江戸中後期に活躍し虎画の名手ともされた岸駒や、幕末から明治に活躍した洋画家・浮世絵師の五姓田芳柳、明治から昭和初期に活躍し竹内栖鳳と共に近代京都画壇を支えた山元春挙など、個性溢れる画家による秀作をご紹介します。
この機会に、あなただけの知られざる「推し画家」を見つけてみませんか。

■ 嵯峨嵐山文華館：http://www.samac.jp

伊藤若冲「蕪に双鶏図」期間限定特別公開
（2021/1/2～1/11）

福田美術館学芸課長・岡田秀之が美術史考証を担当した、NHK正月時代劇「ライジング若冲 天才かく覚醒せり」（2021/1/21（土）放送）の放映を記念し、2021/1/2～1/11の期間、ドラマにも登場する若冲最初期の作品「蕪に双鶏図」を福田美術館にて特別公開いたします。
ドラマ撮影にも使われたレプリカも展示室外にて同時展示いたしますので、併せてご覧ください。