Exhibitions展覧会
開館15周年記念特別展III 「琳派展XV 琳派の伝統とモダン−神坂雪佳と江戸琳派−」
2013年に開館15周年を迎える細見美術館の記念特別展。第3弾は近代の京都に光悦や光琳の作風を蘇らせ、現在も人気の神坂雪佳と、江戸時代から昭和まで長く活躍を続けた江戸琳派を主軸にした初の展覧会を開催します。人気の「金魚玉」など注目作品が勢揃い。日本美術ならではの面白さを感じてください。
【作品画像】
(1) 四季草花図屏風(右隻) 山本光一 ※前期展示
(2) 金魚玉図 神坂雪佳
(3) 朴に尾長鳥図 鈴木其一 ※後期展示
2013年に開館15周年を迎える細見美術館の記念特別展。第3弾は、数ある細見美術館の収蔵品の中でも高い人気を誇る、上坂雪佳(1866-1942)を中心に、鈴木其一(1796-1858)以降の江戸琳派の作品を交え、彼らの挑んだ伝統の継承と、新時代を見据えた意欲的な展開を探ります。
神坂雪佳(かみさか・せっか)は、琳派誕生の地である京都に生まれ、四条派にて日本画を学んだ後、23歳からは工芸界の指導的立場にあった岸光景のもとで工芸図案を学びました。京都で培われた工芸技術を更に活かし、同時に新しい時代に見合った図案の必要性を痛感した雪佳は、京都の工芸振興に努めました。
欧州での博覧会視察、工芸図案の調査などを行った雪佳は改めて日本の装飾芸術として琳派を高く評価するようになります。そして本阿弥光悦や尾形光琳の研究を熱心に行い、自身も琳派を手本にデフォルメやクローズアップなど琳派特有の手法を用い、新感覚の琳派様式を展開しました。
現在雪佳は日本だけでなく海外でも高く評価され、作品がエルメスの雑誌表紙に使われるなど注目を集めました。
絵画や工芸といった領域にこだわらず、両方を自在に行き来しながら生活を彩る美しく楽しい作品を生み出した姿勢は、雪佳が憧れた光悦・光琳の姿勢にも重なります。
一方の酒井抱一に始まる江戸琳派は、光琳など京琳派の伝統的草食性に写実性や江戸らしい洒脱味を加えた新たな様式として展開しました。抱一の弟子・鈴木其一は明快かつ大胆な表現を用いてモダンで先進的な作風を築き、同時に多くの弟子を育成し江戸琳派様式を広めました。
江戸琳派は江戸から東京へと移り変わる時代の中で、近代の日本画家たちにも多大な影響を与えました。抱一の流れを汲む江戸琳派の画家たちも多くが博覧会などに出品・受賞を重ね、新しい時代にも存在感を示しました。
近代化が進む中で江戸の美意識を大切にする人も多く、江戸琳派は昭和前期頃まで描き続けられることになります。
両者を主軸とした初の展覧会は、細見コレクションならではの試みです。
細見美術館の琳派コレクションの展示を通じ、日本美術の持つ優美さ、繊細な感性、時に大胆なほどの力強さに触れていただけましたら幸いです。
※展覧会は前後期制です。【前期】10月12日(土)~11月17日(日)/【後期】11月19日(火)~12月15日(日)
展覧会概要
期間 | 2013/10/12(土) 〜 2013/12/15(日) |
---|---|
会場・開催場所 |
細見美術館
|
時間 | 10:00~18:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館) |
料金 | 一般:1,000円(800円) 学生:800円(600円) |
お問い合わせ |
TEL:075-752-5555075-752-5555
FAX:075-752-5955 |
ホームページ | http://www.emuseum.or.jp/ |
関連アートイベント
該当するアートイベントはございません。
関連記事
該当する記事はございません。