Exhibitions展覧会
木島櫻谷――京都日本画の俊英
明治~昭和の京都画壇で活躍した日本画家・木島櫻谷(このしま・おうこく)の久々の回顧展です。徹底した写生と優れた筆技、デザイン感覚で生み出される動物画や自然の風景は、どこか清廉で、京都らしい品格を持ち合わせています。会期中には彼が晩年までを過ごした旧邸も特別公開されます。
【作品画像】
(1)《獅子》櫻谷文庫蔵 展示:通期
(2)《画三昧》櫻谷文庫蔵 展示:11/19-12/15
(3)《柳桜図》泉屋博古館分館蔵 展示:10/26-11/17
(4)《菊花図》泉屋博古館分館蔵 展示:11/26-12/8
木島櫻谷(このしま・おうこく)は、明治から昭和の京都画壇で第一人者として活躍した日本画家です。
呉服店が多くあつまる京都・三条室町に生まれた櫻谷は、円山四条派の流れをくむ今尾景年のもとで絵を学び、自然観察と叙情の調和した卓越した表現で動物や自然を描き、明治後半から大正には文展の花形として活躍しました。続く帝展では審査員を務めるなどし、櫻谷は京都画壇を代表する人気画家として高い地位を築きました。
しかし、次第に櫻谷は誉めあい謗り合いが横行する画壇から距離をとるようになります。そして彼は金閣寺に程近い衣笠の地に構えた自邸にこもり、たくさんの書物に囲まれた文雅の生活を送りました。昔から中国文化に興味を持ち、特に中国の文人たちに憧れを頂いていた櫻谷にとって、衣笠の自邸での暮らしは文人精神に基づいたまさに理想の生き方でした。漢詩を詠み、書に親しみ、気ままに絵を描く日々のなか、櫻谷は洒脱な筆致で内面を重視する南画風の作品を生み出す境地に至りました。
久々の回顧展となる今回の展覧会では、櫻谷の各時期の代表作を中心に、公益財団法人櫻谷文庫の未公開資料をあわせて公開します。
櫻谷が特に得意とした動物画は、からみつくような柔らかな毛並みの描写と優しく表情豊かな眼差しが今なお人々の目をひきつけます。
また、今回は大正時代に住友家の依頼で描かれた4点の連作屏風も期間中に展示替えで全て公開します。琳派の意匠をとりいれ四季の草木をあしらった屏風には、呉服の町に生まれ、若い頃に染織図案を手がけた経験をもつ櫻谷のデザインセンスが活かされています。
櫻谷の画風は、どこか清潔で華奢な情趣が醸し出されています。それは、京都で生まれ育った彼ならではの、京都文化の上澄みといえるのかもしれません。
京都が生んだ日本画の俊英・木島櫻谷の多彩な画業を、この機会にご堪能ください。
なお、会期中には、櫻谷が晩年までを過ごした衣笠の木島櫻谷旧邸も特別公開されます。
展覧会概要
期間 | 2013/10/26(土) 〜 2013/12/15(日) |
---|---|
会場・開催場所 |
泉屋博古館
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時間 | 10:30~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館) |
料金 | 一般:730円 高大生:520円 小中生:310円 |
注意事項等 | ※20名以上の団体は2割引 【展覧会相互割引】 ・国登録有形文化財「木島櫻谷旧邸宅」 ・「竹内栖鳳展 近代日本画の巨人」」(京都市美術館|2013年10月22日~12月15日) ・「下絵を読み解く 竹内栖鳳の下絵と素描」(京都市美術館|2013年10月19日~12月1日) 上記の入場券(半券可)を窓口にて提示された方は、団体料金にて入場可能です。 また、上記展覧会入場時に「木島櫻谷展」の入場券(半券可)を提示いただくと、団体料金でご覧いただけます。 ※会期中、1枚につきお一人様1回限り |
お問い合わせ |
TEL:075-771-6411075-771-6411
FAX:075-771-6099 |
info@sen-oku.or.jp | |
ホームページ | http://www.sen-oku.or.jp |
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