Exhibitions展覧会

「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984‒ © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984‒ © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984‒ © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984‒ © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984- © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984- © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984‒ © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984‒ © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984‒ © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984‒ © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984‒ © Yasumasa Morimura
「ワタシの迷宮劇場」シリーズより 1984‒ © Yasumasa Morimura
森村泰昌 ©Yasumasa Morimura
森村泰昌 ©Yasumasa Morimura

京都市京セラ美術館開館1周年記念展「森村泰昌:ワタシの迷宮劇場」

京都市京セラ美術館の開館1周年記念展として、日本を代表する現代美術家の一人・森村泰昌の個展を開催します。

1970年代に京都市立芸術大学で学んだ森村は、美術史における名画の登場人物や歴史上の人物、女優に扮するセルフポートレートを制作することで、ジェンダーや人種を含んだ個人のアイデンティティの多重性を視覚化し、個人史と歴史の交錯点を表現してきました。近年では、ジャパン・ソサエティ(2018年)、プーシキン美術館(2017年)、国立国際美術館(2016年)、アンディ・ウォーホル美術館(2013年)、アーティゾン美術館(2021年)での個展開催のほか、「横浜トリエンナーレ 2014」でアーティスティックディレクターを務めるなど、国内外で活躍を続けています。

今回の個展では、これまでほとんど発表されることのなかった、1984年から撮りためている秘蔵のインスタント写真約800枚を出品します。森村にとってインスタント写真は、アトリエなどの私的空間で行われる儀式の痕跡のようなもの。これを総覧することで森村の創作におけるバックグラウンドを浮かび上がらせます。
また、1994年に森村が自作の小説を自ら朗読した CD《顔》の音源をもとに、架空の京都の寺院を舞台に展開される幻想的な世界を、展示室に特設の音響空間をしつらえ、無人朗読劇として再制作します。近年精力的に舞台に取り組んでいる森村が、28年の時を経て、セルフポートレートとしての「声」の空間を立ち上げます。

会場構成は、京都市京セラ美術館のリニューアルプロジェクトを青木淳(現・京都市京セラ美術館館長)とともに手掛け、現代美術展の会場構成経験も豊富な西澤徹夫が担当。京都市京セラ美術館の空間を知り尽くした西澤と森村のコラボレーションにより、新館東山キューブを「迷宮劇場」へと変貌させます。

本展は、森村の京都における 1998年以来の大規模な個展であり、35年余り継続されてきた私的世界の全貌を公開する初の試みとなります。

何者かに成り代わることで自己を解体し、一個人における複数の顔を露呈する森村の表現は、スマートフォンの進化や SNSの普及によって身近になった「自撮り」と共通しながらも、決定的に異なる面を持っています。そこには、自己への透徹した眼差しと、一人の人間が複数の存在として生きていくことへの圧倒的な肯定を見ることができます。コロナ禍において、あらためて自身の制作の原点に立ち返ることでこれからを模索する、森村の現在を提示する展覧会となるでしょう。

森村泰昌から本展に寄せたメッセージ
「ワタシ×迷宮×劇場=?」

こうありたいと私が思うワタシ。私ってこういうひとなんだと決めつけているワタシ。私自身ですら思いもよらなかった未知のワタシ。私のなかにはたくさんのワタシがいて、まるでそれは迷宮のように入り組み、あるいは様々なワタシが登場する舞台のようでもあって、ともかく一筋縄にはいきません。
世界を解釈するのも、歴史を紐解くのも結局はこのワタシなのだとしたら、まずはワタシというこの複雑怪奇なスタートラインに今一度立ち戻り、最初からやり直してみたい。
本展は、コロナの時代の閉塞した環境だからこそ見えてきた、なにが大切なのかという問いがテーマです。私にとって、そしてあなたにとって大切な宝物は何? 展覧会を通して捜しあてられたらいいなと思っています。(森村泰昌)

森村泰昌

1951年大阪市生まれ。1985年、ゴッホに扮したセルフポートレート写真でデビューして以降、国内外で作品を発表。2014 年、ヨコハマトリエンナーレのアーティスティックディレクターを務める。近年の個展に、「森村泰昌:自画像の美術史̶ ̶ 『私』と『わたし』が出会うとき」(国立国際美術館、2016 年)、「森村泰昌:エゴオブスクラ東京 2020̶ ̶ さまよえるニッポンの私」(原美術館、2020 年)、「ほんきであそぶとせかいはかわる」(富山県美術館、2020 年)、「M 式『海の幸』̶ ̶ 森村泰昌 ワタシガタリの神話」(アーティゾン美術館、2021 年)等。2018 年、大阪・北加賀屋に「モリムラ@ミュージアム」を開館。著書に、『自画像のゆくえ』(光文社新書)ほか多数。

関連展示

合わせ鏡の対話/不在の間――森村泰昌とドミニク・ゴンザレス=フォルステル(京都国立近代美術館)

展覧会概要

期間 2022/03/12(土) 〜 2022/06/05(日)
会場・開催場所 京都市京セラ美術館
新館 東山キューブ
時間 11:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日 月曜日(ただし、3/21(月・祝)、5/2(月)は開館)
料金 一般:2,000円(1,800円)
大学・専門学校生:1,600円(1,400円)
高校生:1,200円(1,000円)
小中学生:800円(600円)
未就学児無料
※()内は前売・20名以上の団体料金
※公式オンラインチケット(e-tix)からのご購入の場合、各当日料金から100円引き(詳細・購入については京都市京セラ美術館のホームページをご確認ください)
※京都市内に在住・通学の小中学生は無料
※障がい者手帳等をご提示の方は、本人及び介護者1名無料
(各種割引料金をご利用の方は、年齢等適応条件を確認できるものをご持参ください)
注意事項等
  • 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、来場の際はマスクの持参・着用、検温、手指の消毒等にご協力をお願いいたします。
  • 状況により、やむを得ず予定が変更となる場合がございます。最新情報は京都市京セラ美術館のホームページをご確認ください。
お問い合わせ TEL:075-771-4334075-771-4334
ホームページ https://kyotocity-kyocera.museum

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