Exhibitions展覧会

島田一葉 展 「よだか -宮沢賢治「よだかの星」より-」

2014/07/04(金) 〜 2014/07/16(水)

【閉廊】gallery near 

パステルや岩絵具、木炭、ペン、アルミ箔など様々な素材をコラージュする手法で作品を制作するアーティスト、島田一葉の個展。今回は宮沢賢治の名作「よだかの星」をテーマにした作品を中心に展開します。多彩な素材を織り交ぜた、独創的で物語性を感じさせる作品を、ぜひご高覧ください。

島田一葉「霧の中で君を探す」(二部) 2013年

島田一葉は、主に和紙を用い、パステルや岩絵具、木炭、ペン、アルミ箔など様々な素材を組み合わせ画面を構築するアーティストです。画面上には直線や円弧、四角形といった図形が随所に現れ、幾何学的で整列された印象を与えます。

島田は大学卒業後一時動物病院に勤務し、死と向かい合う壮絶な日々を経験しました。それまで油彩を主体としていた島田ですが、その日々の中で固定概念的に選択していた油彩表現に限界を感じ、自らの意思を持って別の材料・画材での表現を意識したといいます。凝り固まった自分の表現を溶解するかのように、ありとあらゆる素材を試し取り入れ、すべての素材が心地よく混ざる世界を追求する中、現在のコラージュ技法が島田の表現の根幹となっています。

島田は身の回りで得られるものを画材として用いており、普段の生活に近い距離での表現を意識しています。図形の描写も、小学校の子どもたちと関わる中で見た算数で用いられる図形からインスピレーションを得、定規やコンパスなどを取り入れて描いたものです。自ら漉いた手漉き和紙に市販の和紙を織り交ぜたり、紙をミシンで縫い合わせてより大きな画面を作るなど、島田は日常に寄り添いながら、自由な発想と奔放な素材選びで見事なまでの独創性を発揮しています。これは、観る者の技法に対する概念にも新たな気づきを投げかけているようです。

また、島田の作品は独特の質感やほかに類を観ない世界観と同時に、鑑賞者がそれぞれに物語をつむいでいけるようなストーリー性もあわせもち、創造を刺激します。さらに情景を切り取ったような作品タイトルがさらに文学的な印象を加え、表現の物語性や神秘性を高めています。

今回の展覧会は、新作を中心に大小さまざまな作品で構成されます。
タイトルの「よだかの星」は宮沢賢治の同名の名著からとられたもの。「よだか」は心優しい鳥でありながら、外見の醜さによりほかの鳥たちから疎まれ、鷹からも名前の紛らわしさから改名するように脅されます。様々な矛盾や理不尽さに耐えかね、最終的によだかは自ら星になる、という物語です。
これを、文学的な側面を内包する島田の表現がどのような作品に仕上げるのか、ぜひご注目ください。
 

島田一葉

1985年 兵庫県出身。2008年 大阪芸術大学芸術学部美術学科油彩画コース卒業。 現在京都在住。

【主な個展】
2012年「島田一葉展」ギャラリー檜(東京/’13)
2013年「日記を紡ぐうさぎ」KAWACHI(大阪)
2014年「おおかみの生命線」ギャラリー檜(東京)

【主なグループ展】
2012年 「ART STREAM」心斎橋大丸(大阪)
     「onsa展」iTohen(大阪)
2013年 「アンデパンダン展」SANSEIDO gallery(神戸)
     「15人の表現者たち」K's gallery(東京)
     「painting+」cubic gallery(大阪)

 

展覧会概要

期間 2014/07/04(金) 〜 2014/07/16(水)
会場・開催場所 【閉廊】gallery near
時間 12:00~22:00(最終日は17:00まで/木曜休廊)
料金 無料
お問い合わせ TEL:075-708-8822075-708-8822
FAX:075-708-8822
E-Mail info@blow-works.com
ホームページ http://blow-works.com/near.html

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