KYOTO ART FESTA 「artDive#02」行ってきました!(Vol.2 アーティスト紹介編)【イベントレポート】
KYOTO ART FESTA 「art Dive #02」 @みやこめっせ
(2010/05/29-30)
「京都で遊ぼうART」のスタッフが、行ってきた展覧会やイベントをレポート!
★artDive#02の全体の様子を知りたい!という方はこちら
→【イベントレポート】artDive#02 Vol.1 プレイバック編
■ スタッフS(Something)編
【佐藤 大地さん(DAICHI WORKS)】
ラファエロ、モネ、フェルメールなど、西洋の名画を立体化した作品を作るアーティストさん。
前回のartDive#01にも参加されていて、その際にも簡単にご紹介をさせて頂いてます。
→#01のレポートはこちら
(お会いするのは半年ぶりだったのですが、覚えていて下さって大変嬉しかったです)
元々モデル制作をされていたそうで、その流れで西洋絵画をモチーフにした作品を作る機会があり、以来連作として制作しているのだそうです。
「立体絵画」の面白さは、平面では見えないところも見ることができるところ。平面では描かれている部分が全てですが、立体だと横からとか上からとか、色々な視点から眺めることができま、絵では隠れて見えないところ、描かれていない部分も見ることができてしまうのです。絵では見えない部分をどう表現するか。そこは想像力の見せ所。人の後ろに転がる踏み台や、画面の外にいるであろう画家自身など、「枠」を飛び出して絵の世界が広がっていきます。
ヨハネス・フェルメールの『ミルクを注ぐ女』の立体絵画作品。 正面から見ると元の絵そのままですが、立体絵画でないと見られない「上から」視点も楽しめます。 |
作品の多くはとても小さいのですが、どれも非常に繊細で丁寧。
例えば、今回のartDive#02での新作、『ボヘミアの唄』(ミュシャ/下の写真)で少女が持っている花輪は、ひとつひとつ小さな紙をカッターでクローバー形に切って(多分1mm程度!)花びらを作り、貼り付けて作られています。場所によってはなんとパセリ(!)を使ったところもあるのだそう。
「人工のものも使いますが、時には自然のものも使います。それでなければ出せない、自然ならではの風合いもあるので...」とのこと。作業の細かさに圧倒されっぱなしです...恐れ入りました。
前回の参加後も、テレビ番組で取り上げられるなど注目されている佐藤さん。現在は夏に東京の銀座で開催される個展に向けて準備をされていらっしゃるそう。(今度の新作はミレイの『オフィーリア』の予定)是非今度は関西でも開催して欲しいです...!
■スタッフK編
【植松あおばさん】
余白を生かしたエモーショナルなイラストを得意としたイラストレーター。
普段は大阪でグラフィックデザインのお仕事をされています。 <
彼女の作品で気になったのは京都タワーを使った作品。
雪原に何故か京都タワーがあるので、その理由をお伺いしてみると、植松さんの答えは
「京都タワーを本来あるべき場所においてみたかったから」
京都タワーは元々、灯台をイメージして設計されたもの(一般にはよく「和ろうそく」と言われていますが...)。そこで、「本来灯台が建っていそうな場所」に京都タワーを置いてみた、というのがこの作品のコンセプトだったのだそうです。
【宇野昌紀さん】
彼の作品にうつる動物たちからたくさんの表情や生き方が見えたような気がしました。
■スタッフN編
【ヤマモトナオキさん】
どこかミュシャのような、アール・ヌーボーを彷彿とさせる曲線美に私は釘付け状態になってしまいました。
くっきりとした太めの輪郭線で縁取られ、淡いパステルカラーで着色されたイラストに興味津々。展示されていた作品の中でも、特に目に留まったのは和装女性のイラストでした。
「わぁ~キレイな絵だな~...。」とうっとりしつつ、「和装がお好きなんですか?」とヤマモトさんにお話を聞くことに。
昔から十二星座が好きだというヤマモトさん。現在、星座ひとつひとつにまつわる神話を元に、星座を「擬人化(女性化)」させたイラストを制作中なんだそうです。12星座ずらっと並んだところを早く見たい
【りえ子さん】
セーラー服をまとったショートカットの女の子のイラストが印象的だったので、お話を伺いました。
特に気になった絵は、京都を代表するショッピングスポット「寺町商店街」に、どこか哀愁漂う女の子がひとり佇むイラスト。
「なぜ、寺町商店街なんですか?」とお尋ねしたところ、「京都が好きで、自分が立ち寄る場所をイラストに起こしたかった」とのこと。それを聞いた京都在住の京都大好き人間の私は思わず、「京都をイラスト化してくれてありがとうございます...!」とお礼を言ってしまいました。
実際に作品を作った制作者と会話をすることにより、なぜそれを描こう、作ろうと思ったのか、何を考えているのか、その一端を知ることが出来たように思います。
ぱっと見ただけでは何を意図して作られたものなのか、ぼんやりとしかわからないものも多いのですが、実際に作り手の方の言葉をお聞きすることで、コンセプトや思いをより理解することができます。
アートリテラシー(アートを鑑賞する力)、というと難しく聞こえますが、そのままではわからないこと、より作品を知り、そして楽しむことのできる要素が、アーティストさんとの会話の中にはつまっています。
なにより、お話をお聞きすると、自分としてもその作品にも思い入れが増して、より身近に感じられるような気がします。
次回のartDive#03は11月の開催予定です!
次回はどんなアーティストさんと生み出された沢山の力作に出会えるのか、今からとても楽しみです。
次回にも期待!
さて、artDive#02レポートはまだ続きます。(なんと3回連載になりました)
Vol.3ではお待ちかね、「Alphact」の皆さんの取材内容をお送りします!
どうぞお楽しみに!