KYOTO ART FESTA 「artDive#02」行ってきました!(Vol.3 Alphact編)【イベントレポート】
KYOTO ART FESTA 「art Dive #02」 @みやこめっせ
(2010/05/29-30)
「京都で遊ぼうART」のスタッフが、行ってきた展覧会やイベントをレポート!
「artDive#02」のレポート、Vol.1(プレイバック編)、Vol.2(アーティスト紹介編)に続き、今回は...
お待たせしました、パフォーマンスブース・展示ブースでも大人気だった、「Alphact」さんへのインタビュー取材の内容をお送りします!
お待たせしました、パフォーマンスブース・展示ブースでも大人気だった、「Alphact」さんへのインタビュー取材の内容をお送りします!
左から、wa-ta(金刺わたる)さん、大柴拓磨さん、天野弓彦さん、KATSUさん、大前光市さん。
衣装は「天才!K.O.ボーイズ」のもの。衣装をデザインした天野さんいわく、「イメージは学ラン」だそうです。
衣装は「天才!K.O.ボーイズ」のもの。衣装をデザインした天野さんいわく、「イメージは学ラン」だそうです。
Alphactさんは、「実験的アーティスト集団」として活動している、トータルアートグループ。
ダンサー、画家、俳優、音楽家、映像作家、デザイナー...などなど、様々なジャンルのアーティストさんが参加して、「楽しめるアート」「実験」「融合」をテーマに一つの舞台作品を創り上げる、という活動をされていらっしゃいます。
ダンサー、画家、俳優、音楽家、映像作家、デザイナー...などなど、様々なジャンルのアーティストさんが参加して、「楽しめるアート」「実験」「融合」をテーマに一つの舞台作品を創り上げる、という活動をされていらっしゃいます。
今回は4つの作品の公演を行って下さいました。異なるジャンルのダンスがステージを駆け巡ります。
こちらは、Alphactの派生ユニットである「天才!K.Oボーイズ」の上演作品「break up」。
普段からつるんでいた仲間たちがある日衝突、離散してしまうという設定で、メンバーそれぞれが持つ個性を存分に感じることができる作品です。
コンテンポラリーダンス、ブレイクダンス、バレエと、さまざまな表現をひとつの空間でみることができますが、エンターテイメント性に重きをおいていることもあって、これをみた人は自分の今までの経験をもとに作品を感じることができたのではないでしょうか。
このプロジェクトグループを立ち上げた大柴拓磨さんは、日本人男性で始めてフランス国立パリ・オペラ座のバレエ団と契約し「イワン雷帝」に出演した経験をもつ、日本バレエ界を牽引する男性の一人。
Alphactのような様々なジャンルで活躍するメンバーを募り、トータルアートをやりたいというアイデアが芽生えたのは中学生のときだそう。
まったく違うジャンルの天才たちがあつまってひとつの作品をつくる。
それはとても魅力的なことのように思えますが、
個々が自分のセオリーを信頼しすぎるあまり、仲間と衝突してしまうのでは...とも思ってしまいます。まったく違うジャンルなので、その世界で使われている専門用語すらお互い知らないかもしれない。すると演技の上でのアドバイスもしにくくなってしまうのでは?
「普段人は言葉でコミュニケーションをとっていますよね。でもバレエはフランス語だし、ブレイクダンスは英語、言葉では説明しきれないものも確かにある。みんなに共通してあるのは、リズムだ。僕たちはリズムで聴き、リズムで言葉を返す。」
そう、大柴さんは答えてくれました。
そう、大柴さんは答えてくれました。
こちらはKATSUさんのソロ。さすが世界的ブレイクダンサー(ドイツ世界大会2位!)、動きがとにかくダイナミックで力強い!鍛え抜かれた身体の線の美しさもあいまって、まさに全身が「動くアート」になっていました。
リズムは体をつかって刻むから「身体言語」。役者たちは身体言語で会話をし、コミュニケーションをとる。
それぞれが体の動かし方でリズムを変え、ひとりひとりのもつ音色に強弱をつけながら、全員が1度は目立てるように、ときには引き立て合い、時にはソロで。
それは、音楽や、絵画、アニメーションなどにも当てはまります。
音楽なら、様々な楽器で。絵画なら、様々な色で。アニメーションも、絵に音、声が合わさって出来上がる。
たくさんの要素との連携によって、アートは組み立てられているのです。お話を聞いているうちに、そのことにはっ、と気づかされました。
音楽なら、様々な楽器で。絵画なら、様々な色で。アニメーションも、絵に音、声が合わさって出来上がる。
たくさんの要素との連携によって、アートは組み立てられているのです。お話を聞いているうちに、そのことにはっ、と気づかされました。
「一人一人、それぞれが作品を作れるアーティスト。それだけでも成立するし、得意なジャンルもそれぞれ違う。でも、あえてそれが合わさって融合すると、「化学反応」みたいな...ひとりだけではできないもっと凄いものができると思うんです。」
「一人一人がリーダーみたいなもの。だからこそ、ぶつかりあって、より良いものが生み出せる。」
「技術が凄い、というだけじゃなくて、何かを作っていける人でありたい。そういうメンバーに出会えて、本当にラッキーだと思っています。」
そう答えたのはコンテンポラリーダンス担当のwa-taさん。
「一人一人がリーダーみたいなもの。だからこそ、ぶつかりあって、より良いものが生み出せる。」
「技術が凄い、というだけじゃなくて、何かを作っていける人でありたい。そういうメンバーに出会えて、本当にラッキーだと思っています。」
そう答えたのはコンテンポラリーダンス担当のwa-taさん。
wa-taさんと大前さんのデュオ。
大阪で開催された「DANCE COMPLEX2008」での優勝作品。 重なり合う光と影のような、繋がりあう一体感のある動きに、BGMの『眩暈』( 鬼束ちひろ) がシンクロして、見る人を独特の世界観に惹きこみます。見ていて思わず鳥肌が...
大阪で開催された「DANCE COMPLEX2008」での優勝作品。 重なり合う光と影のような、繋がりあう一体感のある動きに、BGMの『眩暈』( 鬼束ちひろ) がシンクロして、見る人を独特の世界観に惹きこみます。見ていて思わず鳥肌が...
ちなみに、いままで作品のことで討論になることはあっても、破綻や分裂などの大事にはなったことはないそう。
その道のトップをそれぞれ走っているからこそ、かえってお互いのことを尊重できるのかもしれませんね。
前作の「机上の人々」(※)からもそういった意図が読み取れる構成となっており、
物書きの少女の空想の中で登場人物たちが動き出すというストーリーを、バレエやブレイクダンス、コンテンポラリーダンスにそれぞれのシーンでスポットをあて、たくさんの詩にあふれた混沌とした少女の空想を表現していました。
※京都・三条通のアートコンプレックス1928(1928ビル内)にて行われたプログラム(2008年9月)
この作品中には画家で衣装・キャラクターデザインを担当されている天野弓彦さん(今回artDive#02にて展示ブースでライブペインティングもされていらっしゃいました)が描いた美しい絵画がキーモチーフとして幾度も登場しますが、優美な2次元のモチーフと大胆な3次元の、多様なモチーフが絶妙なバランスをとりながら舞台の中で美しく調和しています。
今回上演された「break up」も、先に天野さんの描いたイラストがあり、その時点で既に役者の皆さんそれぞれのイメージを踏まえたキャラクター設定がされていたのだそう。それを元に、今度は舞台で実際に役者がそのキャラクターたちを演じる。2次元の絵画と、3次元の舞台が融合して、ひとつの作品世界を作り出しています。
今回上演された「break up」も、先に天野さんの描いたイラストがあり、その時点で既に役者の皆さんそれぞれのイメージを踏まえたキャラクター設定がされていたのだそう。それを元に、今度は舞台で実際に役者がそのキャラクターたちを演じる。2次元の絵画と、3次元の舞台が融合して、ひとつの作品世界を作り出しています。
こちらはAlphactさんの展示ブース。壁の絵は天野さんが描いていたライブペイントです。
今までの講演で使われた衣装なども沢山並べられていました。
今回のパフォーマンスのイメージスケッチなどもあり、まさに「Alphactワールド!」
今までの講演で使われた衣装なども沢山並べられていました。
今回のパフォーマンスのイメージスケッチなどもあり、まさに「Alphactワールド!」
Alphactの活動をする上で影響を受けているものはなんですか?
それをお伺いすると、天野さんはこう答えて下さいました。
それをお伺いすると、天野さんはこう答えて下さいました。
「ピカソとかニジンスキーとか...そういう有名なアーティストが海外では積極的にコラボレーションして作品を作っているんです。そういうのに影響を受けている気がします。」
天野さんが例に挙げていたのは、1909年から20年間、パリを拠点に活動していたバレエ団、「バレエ・リュス」のこと。
世界的バレエ・ダンサーのニジンスキーが舞い、近代美術の代表的画家であるピカソやマリー・ローランサンが美術を担当、ストラヴィンスキーが音楽を、そしてあのココ・シャネルが衣装をデザインしたという、メンバーだけでも超一流の豪華なコラボレーションでした。
ジャンルが全く違うアーティストたちが集い、刺激しあってひとつの作品を創り上げる。
Alphactの活動に重なる部分がとても感じられます。
「アートって、元を辿れば同じところから始まっていると思うんです。」
という天野さん。
という天野さん。
確かに、絵や演劇、踊りや音楽といったものは、最初は儀式やまじないの一種としてはじまったといいます。
同じところを出発点にして、それが年月を経て、色々な「ジャンル」に分かれていった。
コラボレーションは、それがまた一緒になることといえます。
元々一緒だったものが分かれて、今度はジャンルを超えて合わさって、元の形に返っていく。
Alphactさんの活動は、アートの原点回帰、そのものなのかもしれません。
スタート地点からその先はまさに無限。
何が生まれるかわからない、そのドキドキワクワク感は、だからこそ生まれるものなのかも、とふと思ってしまいました。
今回は舞台の終了後まもなくお話をお伺いしたのですが、皆さんとても気さくでフレンドリー。そして丁寧にお話をして下さいました。
お話を伺った後には、気がつけばもうすっかりファンになってしまっておりました。(むしろならないわけがない!)
皆さん、本当にありがとうございました!
お話を伺った後には、気がつけばもうすっかりファンになってしまっておりました。(むしろならないわけがない!)
皆さん、本当にありがとうございました!
京都で遊ぼうARTスタッフ一同、Alphactさんを応援しております!
現在は、皆さんのブログなどをみていると、次期公演に向けて着々と準備を進めていらっしゃるようです。
そんなAlphactさんの次期公演はこちら。
気になった方は是非、今度は生で体感してみて下さい!
(今回いらっしゃったメンバーは皆さん出演・参加されます!)
■会場
【大阪】大阪市立芸術創造館 【東京】d- 倉庫
■公演日程
【大阪】 2010年11月12日(金)~14日(日)【東京】 2010年12月17日(金)~19日(日)
■開演時間(大阪・東京共通)
(金)19:00~ (土)15:00~/19:00~ (日)14:00~/18:00~
■チケット
一般前売り 4500円 一般当日 5000円
学生前売り 3500円 学生当日 4000円(学生証が必要です)
※他、詳細情報は公式ホームページでご確認下さい。→こちら
最後に、この場をお借りして、
イベントのご案内を頂き、取材時にもご協力下さったartDive運営委員会スタッフのみなさん、取材に応じて頂いたアーティストのみなさん、お疲れのところ快くインタビューにお答えくださったAlphactさん、そしてイベントに参加していた全ての皆さんに、改めてお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!
次回も楽しみにしております!
そんなAlphactさんの次期公演はこちら。
気になった方は是非、今度は生で体感してみて下さい!
(今回いらっしゃったメンバーは皆さん出演・参加されます!)
実験的アーティスト集団 Alphact 第6回公演【SHIKI】
■会場
【大阪】大阪市立芸術創造館 【東京】d- 倉庫
■公演日程
【大阪】 2010年11月12日(金)~14日(日)【東京】 2010年12月17日(金)~19日(日)
■開演時間(大阪・東京共通)
(金)19:00~ (土)15:00~/19:00~ (日)14:00~/18:00~
■チケット
一般前売り 4500円 一般当日 5000円
学生前売り 3500円 学生当日 4000円(学生証が必要です)
※他、詳細情報は公式ホームページでご確認下さい。→こちら
最後に、この場をお借りして、
イベントのご案内を頂き、取材時にもご協力下さったartDive運営委員会スタッフのみなさん、取材に応じて頂いたアーティストのみなさん、お疲れのところ快くインタビューにお答えくださったAlphactさん、そしてイベントに参加していた全ての皆さんに、改めてお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!
次回も楽しみにしております!
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