一足先に東福寺の巨大な二天王立像(重文)にも会えちゃう! 京博2023年夏の名品ギャラリー
4か月先取りで、二天王さんに会えます。
京都国立博物館、2023年秋の特別展は「東福寺」。10月から始まるこの展覧会に先駆けて、高さ3m超の巨大な《二王天立像》(重要文化財)が一足先に京都国立博物館で公開されています。
見よ!この!スケール感!
高さは約3m30㎝、重さは250㎏超。鎌倉時代の大作です。
憤怒の形相で邪鬼を踏みつけ拳を振り上げる様は迫力満点!
立派な体躯でグッと腰を突き出したポージングは今にも動き出しそうです。
元々は東福寺の三門(出入口)を守っていたそうですが、現在は寺内にある収蔵庫で保管されているため、こんな広い空間で間近で見られる機会は少ないとのこと。
足元ギリギリまで近づいてから見上げると、より迫力が味わえますよ!
《二天王立像》は特別展「東福寺」の会期(10/7~12/3)中も続けて展示予定ですが、10月まで待ちきれない!じっくり見たい!という方は、ぜひ夏のうちに。
なお、特別展「東福寺」は今年3月~5月に東京国立博物館で開催されたものの巡回となりますが、その内容はさらにボリューム&パワーアップ。東京では展示できなかった資料や工芸品を大量に追加展示予定とのことです。(特に工芸品は東京ではほとんど出せていなかったので京都では沢山展示を予定しているそうです)
また、会期中には東福寺でも普段は春の涅槃会の3日間のみ公開の、日本一巨大な仏涅槃図(なんと縦11mもあります!)の特別公開(11/11~12/3)も行われる予定です。
これは秋が待ち遠しい!ぜひ今のうちにスケジュールを調整しておきましょう!
名品ギャラリーも見どころ満載!夏にぴったりの展示も。
なお、《二王天立像》の先行展示は京都国立博物館の平常展示「名品ギャラリー」の一角で行われています。
勿論名品ギャラリーも見どころがいっぱい!
例えば、二王天立像が展示されている彫刻コーナーは、夏・お盆の時期に合わせて「地獄と閻魔」がテーマ。
ここでは、生前の行いを裁く閻魔大王をはじめとする地獄の裁判官「十王」の像が展示されています。それぞれ顔つきが違っているので、個性や性格も想像できそう。
※7/19からは絵巻コーナーでも「地獄・鬼・天狗」と題した展示が行われる予定ですよ!
書跡のコーナーでは「古筆とかなの美」と題して、平安~鎌倉時代の書家の手による美しい書跡作品が並びます。(国宝の「古今和歌集巻」曼殊院本/伝藤原行成筆なども展示)美しい文字はもちろんですが、それが書かれた料紙の装飾も見どころ。ちぎった色紙を組み合わせてカラフルにしたり、鳥や草花の模様をつけたり...昔の人のデザインセンスも楽しめます。
2階では特集展示「新収品展」が7/17まで開催中。2021・2022年に新たに京都国立博物館に収蔵された作品、約40点が公開されています。
絵巻物や掛軸、屏風と行った絵画作品の他、工芸品、刀に染織品などジャンルも多彩です。時代もジャンルもテーマもさまざまな作品がミックスして展示されている点も新収品展の魅力です。もしかしたら今後なかなか見られない作品とも出会えるかも?
また、今回は日本画や技巧を凝らした置物など、明治以降の近代の作品も比較的多く含まれているようでした(ライターの感覚ですが...)
望月玉泉の《太秦春趣・桂川斜照図》など京都に材をとった作品もあるので、作品から京都を味わってみるのもおすすめです。
この他にも展示替を挟みながら、秋の特別展までさまざまな作品が名品ギャラリーで展示されます。
蒸し暑い夏も、美術館や博物館の中は空調が利いてとっても快適!涼を取りながら楽しむスポットにもぴったりです。お出かけの際はちょっと足を延ばしてみてはいかがでしょうか?