【レポ】写真展「MJ」~ステージ・オブ・マイケル・ジャクソン~(美術館「えき」KYOTO)
美術館「えき」KYOTOで開催の「写真展「MJ」~ステージ・オブ・マイケル・ジャクソン~」の展覧会レポートです。
この展覧会は、バンド「NONA REEVES(ノーナ・リーヴス)」のヴォーカルであり、マイケル・ジャクソン研究家でもある西寺郷太さんが監修し、マイケルのデビュー時から代表作のスチールや3度のワールドツアーでのパフォーマンスを映したものなど、貴重な写真の数々でその生涯と活躍を振り返るというものです。
写真で見るマイケル・ジャクソンの世界はどのような空間となっているのでしょうか?その様子をご紹介します。
※レポートの内容は7/9開催の内覧会での取材内容をもとにしています。時期により内容・予定が異なる場合がございます。
展覧会はステージだ!目と耳で楽しむMJの世界。
内覧会に合わせて、西寺さんによるギャラリートークも行われました。(写真は『スリラー』を前に立つ西寺さん)
西寺さんは京都育ちで、マイケルの曲に出会ったのはちょうど京都で暮らしていた時期とのこと。そのこともあり、今回の京都開催は感慨深いと仰っていました。
展示は二部構成で、前半はマイケル・ジャクソンのヒストリーを辿り、後半は主にステージでのマイケルのパフォーマンスにスポットを当てた内容となっています。
こちらはマイケルが1987年に行われたマイケルの最初のワールドツアー「バッド・ワールド・ツアー」の日本公演時の写真を前にお話される西寺さん。この時は今はなき後楽園球場が会場でした。1988年にもう一度マイケルは日本公演を行うのですが、その際は背景に映っている東京ドームが会場となりました。そんな歴史も写真には刻まれています。
会場内には『スリラー』『バッド』などの誰もが知る代表曲はもちろん、アルバム内に収録された名曲まで、様々なマイケルの曲がBGMとして流れています。これは西寺さんが展覧会にあわせてセレクトしたもの。西寺さんによれば、マイケルがライブでよく使っていた曲を中心に選んだそうです。会場の外にはリストが掲示されているので、こちらもご注目を。
写真はどれも大きくほぼ等身大に近いサイズに設定されています。実際にマイケルのライブステージやミュージックビデオの撮影現場にいるかのような臨場感たっぷりです。写真を見ながら曲に聞き入っていると、テンションが上がってきて思わずその場で足踏みや身体を揺らしてリズムを刻みたくなってしまいます。(知っている曲や見覚えのある衣裳の写真を見るとより一層楽しい!)
壁の色も、マイケルのイメージカラーであるレッドやブラックを基調としていたり、会場の天井も機材が見える構成にしたりと、マイケルのステージの中に入り込んだような雰囲気。会場全体がマイケルの世界観を再現しているようです。
マイケルが亡くなったのは2009年、最後のワールドツアーと位置づけた「This is it」が始まる直前のことでした。それから10年以上の時が経ち、リアルタイムでマイケルを見たことのない人も多いはず。しかしその曲やパフォーマンスのすばらしさは色あせることがありません。写真と音楽を通じて、今見ても人をワクワクさせるマイケルのスーパースターたる魅力を改めて感じる展覧会でした。
展覧会自体は元々コロナ禍以前から企画されていたものだそうですが、この時期の開催となり西寺さんもコロナ禍の中でエンターテインメントをどのように供給すればよいのかその方法に苦慮する所もあったとのこと。
その中でこの展覧会は「基本的に静かに楽しむことが前提の場だからこそ、没入感のあるアトラクションのように味わえるのではないか」と、仰っていました。どこか、常に新しく人を楽しませるパフォーマンスに心血を注いだマイケルの姿勢にも重なります。
京都展は以前開催された東京展よりフロアが広くなったこともあり、展示のボリュームもより充実したものになっているそうです。まさに写真で楽しむ音楽ライブ、この機会に一度体験してみてはいかがでしょうか?
開催は2021/9/5(日)まで。
※展示に用いられた写真をまとめた写真集『MJ ステージ・オブ・マイケル・ジャクソン』もショップで販売されています。