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【レポ】特別企画「オリュンピア×ニッポン・ビジュツ」(京都国立博物館)

2021/06/22

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京都国立博物館で開催の特別企画「オリュンピア×ニッポン・ビジュツ」展の展覧会レポートです。

元々は東京オリンピックの開催に合わせて海外から来られる方など、あまり日本美術に触れる機会のない方を対象に、日本美術の世界を紹介する目的で企画された展覧会だったそう。
展示品はどれも、京都国立博物館の収蔵品・寄託品から選りすぐった人気・代表作品!(国宝・重文含む)
日本美術初心者にもわかりやすく、かつ日本美術好きな方も満足できる充実した内容の展覧会になっています。
今回は、その様子と見どころをご紹介します。

古代オリンピックが道しるべ!?豪華でユニークな日本美術展。

タイトルのオリュンピアは、古代ギリシャにおいてオリンピックが行われた発祥の地。古代ギリシャは日本の神道と同じくさまざまな神様がいる多神教文化。また、古代オリンピックは神前で競技を披露・奉納する祭事でしたが、日本にも同じように相撲や流鏑馬など奉納競技や武術があります。この展覧会は、その古代ギリシャと日本の文化、信仰や風習の対比を入口にして、日本のさまざまな美術を紹介していく形式になっています。

いわば「古代ギリシャ・古代オリンピックをガイドにした日本美術展」。今までにないユニークな構成の展覧会です!

olympia-nippon_repo (1).jpg最初は海外の方にもわかりやすいように、日本の神道と仏教、神々や仏様の紹介からスタート。

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恋をしたり喧嘩をしたり人間臭いキャラクターで知られる古代ギリシャの神々ですが、日本の神様も人のように扱われ、住まいとして神社を建て、日々の生活に必要な衣服や家財道具が神宝として納められました。当時の技の粋と贅を尽くした品からは、神様への畏敬の念も伝わります。

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古代ギリシャ神話では大神ゼウスが牛や鳥に変身したり、女神アテナはフクロウを使いにしているなど、動物も多く登場します。日本でも神様の使いや化身として動物は多く表現されているので、そのつながりで動物に関する作品も展示されています。
こちら手前は江戸幕府の三代将軍・徳川家光が夢に見た「八尾の狐」を狩野探幽に描かせたというユニークな作品。(狐というより...イタチ?)

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古代ギリシャでは神殿の前には店が立ち並び、多くの人が集まる場所となっていたそう。そのつながりから、日本の神社やお寺の門前の賑わいを描いた作品なども紹介されています。

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ここには琳派の代表作として知られる本阿弥光悦と俵屋宗達のコラボ作品「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」が!(「琳派」展の時は図録の表紙に使われるほどの目玉作品でした)まさかこんなになにげなく展示されているとは思わず、驚きました。
他にも、教科書やほかの大きな展示で見たことのある作品がそこかしこに登場しています。

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そして、古代オリンピックは鍛え上げた優れた肉体を神前に披露する場であったことから、日本美術における優れた肉体の表現=金剛力士立像をピックアップ。
今回は特別に、片方の向きを変えて背面が見られるように展示されています。普段は背中側に回り込んでの鑑賞はできないのでとても貴重な機会。筋骨隆々とした、見事な背中の筋肉を間近で拝見できます。

olympia-nippon_repo (15).jpgまた、日本において「極限まで肉体や精神を鍛え上げた存在(アスリート)」のイメージは、神仏や仙人に繋がるものでした。そこで神仏や仙人を描いた作品もラインナップされています。

古代オリンピック=神々への祭礼というつながりから、「祇園祭礼図屏風」も展示。この展示品はどういう繋がり・イメージから選ばれたのか、考えながら見るのも楽しみになります。

olympia-nippon_repo (25).jpgまた、古代オリンピックの競技は戦士の育成という側面もあったことから、日本の武術に関する品々として刀や甲冑、弓などの武具も展示されています。

特別展の枠での開催ではなく、あくまでコレクション展なのですが、有名作品や大半が国宝の作品ばかりの展示室があるなど、思いがけない作品との出会いが楽しめたり、普段と違う切り口から作品を見ることで新たな発見も得られる、とても豪華で充実した内容の展覧会でした。

京都国立博物館では7/24(土)から「京(みやこ)の国宝」展が開催予定ですが、そちらとはラインナップが異なります。併せてご覧になってみてはいかがでしょうか?


展覧会は7/4(日)まで。

■ 特別企画「オリュンピア×ニッポン・ビジュツ」
https://www.kyotodeasobo.com/art/exhibitions/olympia-nippon/

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