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【レポ】最果タヒ書店(丸善京都本店)に行ってきました!

2023/05/19

最近若い女性を中心に注目を集めている現代詩人・最果タヒさんとコラボレーションした期間限定企画「最果タヒ書店」が、丸善京都本店で5/13より開催されています。

「最果タヒ書店」とは?

丸善ジュンク堂では、以前から「書店の新事業として著者の魅力を新しい形で発信する」ことを試み、「作家書店」という企画を開催しています。これは作家さんを"店長"とし、作家さんが選んだ本を書店で実際に展示・販売するというもの。「最果タヒ書店」もそのシリーズの一環として企画されました。
既に東京や大阪などで展開し好評を集めていましたが、それがついに京都で開催!

実は書店調査では最果タヒさんのファンは関西にかなり多いそう。また、ちょうど京都タワーでも最果さんの詩を使ったパブリックアートが設置されるなど、京都は今"最果タヒ熱"が高まっているタイミングなんだそうです。

しかも京都会場は文学に詳しい方ならきっとご存じ、「丸善」。これは一度覗いてみたい!
というわけで、今回は丸善京都本店の会場を取材させて頂きました。

本のラインナップから「人」が見える

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「最果タヒ書店」京都店はこんな感じのしつらえになっています。場所は地下1階の話題書コーナーの一角。スペースの関係上、最果さんの選書全て(総数400冊以上!)を書棚に展示することは難しかったため、スタッフの方がさらにピックアップを行なったそうです。いわば、最果さんと丸善京都本店のコラボレーションといえるでしょうか。
(全選書は会場で無料配布されている目録や公式Webサイトで確認できます)

会期中には随時選書内から追加や入替が行われる予定とのこと。時期によって変化するラインナップを見に行くのも良さそうです。

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通常、書店では本は書かれている内容からジャンル分けされて並んでいますが、今回は「人と人」「私の一瞬」「宇宙」など最果さんが挙げたキーワードで関係する本ごとに並べる形となっています。普段なら隣り合うことのないような本が一緒に並んでいる点がひとつの見どころとなっています。
上の写真のように絵本『スイミー』や児童書『星の王子さま』の近くに抽象画家ゲルハルト・リヒターの画集が並ぶ状況、普段は見られませんよ...

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星や宇宙に関する言葉は最果さんの詩にしばしば登場しますが、『21世紀宇宙の旅』『星を継ぐもの』といったSF小説はその言葉選びに通じるものを感じました。
その一方で、『動物のお医者さん』『うる星やつら』『赤ずきんチャチャ』といったマンガもけっこうあるところも印象的。読んだことのある本があると何だか親近感が湧いてきます。

最果さんが選んだ本にはひとつひとつ、最果さんの選書理由などを記したPOPが添えられているので、コメントを見ながら本を見るとより楽しめる仕様。勿論、気になった本はそのままレジで購入可能です。

詩と選書のマリアージュを楽しむ

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そして「最果タヒ書店」ならではの特徴が、本棚のあちこちにあしらわれた最果タヒさんの詩の一節です。見ると「~と、囁くように」「~なんて言葉が」など、文章の途中から始まっているものが見られます。これは本のタイトルと詩が繋がる仕掛け。隣の本でも、上の棚の本でも、自由にタイトルを繋げて詩にできてしまうんです。タイトルが変われば詩の印象もちょっと違ったように聞こえ、まさに詩と選書の組合せ、マリアージュが楽しめます。お気に入りの組合せを見つけてみるのも良いかもしれません。

オリジナルグッズやコラボカフェで、ことばにひたる

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「最果タヒ書店」では、最果さんの著書の装丁などでタッグを組むデザイナー、佐々木俊さんデザインによる限定オリジナルグッズも販売されています。(書棚のしつらえのデザインも佐々木さんが担当されています)
アクセサリーや文房具、お香など、日々の生活の中に詩のことばを気軽に取り入れられるグッズが多数。取材時にすでに売り切れになっているものも...(後日追加で入荷する商品や、受注生産品もあります。また、通販も開催。詳細は公式Webサイト、または店頭でお問合せください。)

5/20から書店併設の喫茶スペース(地下2階)でコラボカフェ「詩の喫茶店」が開催。コラボカフェでは、最果さんの詩をイメージしたドリンクやスイーツといったコラボメニューが提供され、詩の世界を目や舌で味わうことができるそう。コラボメニューではオリジナルグッズとしても販売されているグラス(写真のもの)やスプーンといった食器類が使われます。

書店で最果さんセレクトの本を購入し、カフェで最果さんの詩のスイーツをいただきながらゆっくりと本を読む...といった楽しみ方もできます。五感でことばの世界にひたりながら本を読む、贅沢な体験が楽しめそうです。


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よく、「本棚を見ればその人がわかる」「本棚は人を映す鏡」と聞きます。
個人が選んだ本はその人の思考や趣味・興味に基づくもの。本人と直接話をしたことはなくとも、本を通じてその人自身を感じることができるのです。
そしてその本の中に、最果タヒさんという人の思考の具現といえる、詩のことばが散りばめられることで、最果タヒさん自身を「本棚」のかたちで見せてもらっているようでした。
本棚の姿で人を表す、「本を並べて見せる場所」である書店だからこそできる、一種のアートとしても楽しめる企画でした。

書店好きな方も、最近ちょっと書店に行く機会がない方も、この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか?

イベントの開催は6/11まで。

■ 最果タヒ書店(京都会場)
最果タヒ書店 公式Webサイト

※ご協力を頂いた丸善ジュンク堂の小嶋様、丸善京都本店の堀様・橋本様に御礼を申し上げます。

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