京都市の北部・上賀茂の山間(やまあい)に、秘密基地のような研究所があろうとは!
それが、
総合地球環境学研究所 RESEACH INSTITUTE FOR HUMANITY AND NATURE
この研究所では、地球環境のさまざまな問題を人間・文化・自然現象などから多角的に研究して、
その研究成果を未来の人類の社会生活に役立てようとすることを目的としています。
名前が長くて難しいので、「地球研」と略されています。
[エントランス]
今回は、2013年度の「地球研オープンハウス」で今日一日、一般に公開されていたのです。
「なんだ?この形…」
地球研の建物は、外から見ると変な形をしています。
その館内に入ってみると、その見取り図があり、
「おっ!半月形なんだ~」
きっと山肌にそって造られているからこんな形なんでしょうね。
[地球研マップ]
世間は夏休みということで、子供連れの家族でいっぱい。
最初は、エントランス横の講演室で
「地球研キッズセミナー 田んぼの土のひみつ」
とういう、講師の先生による講演&キッズたちによる実験が開催されていました。
いくつかの班に分かれたキッズが、実験装置を使い、クリップ係・ビーカー係・メスシリンダー係・記録係・ホワイトボード係に分かれて田んぼの水はけ実験をするというものでした。
保護者の方々はエントランスのモニターでその様子を見ることができます。
[モニターに写された実験の様子]
そのほかのイベントは、8つのブースのプロジェクト研究室を訪ねるというもの。
それらは、砂漠化プロジェクト・食リスクプロジェクト・エリアケイパビリティープロジェクト・メガ都市プロジェクト・地球環境知プロジェクト・アラブなりわいプロジェクトといったもので、専門の研究者さんたちの説明を聞くことができます。
しかも「地球研から脱出せよ!クイズラリー」というイベントともリンクしていて、クイズの答えをそれぞれのブースに探しに行き、スタンプをゲットするんです。
「答えはどこやねん?」
と多くのキッズらが、説明ボードを覗き込んでクイズの答えを探していました。
そのなかでボクが興味をもったプロジェクト研究は、
“room 9 シベリアプロジェクト” と “room 4 水土の知プロジェクト”
のふたつです。
“room 9シベリアプロジェクト”ではめがねの研究者さんが、すでに熱心に説明されてます。
[木を切らずに木の重さをはかる実験]
「地球温暖化はシベリアにおいて、顕著にその影響が出るんです、それは永久凍土が溶けるというもので、そうすると土中の水分が増え木の根が根腐れをおこし、アカマツからほかの木に変わってしまうんです…地球の平均温度が2℃あがるだけで…」
「おぉ~!確かに地球環境学!」
「見てください、この写真、これが凍土が溶けた写真で、そうするとこのグラフのように森林の樹木が変化していくんです…あ、それと外で木を切らずにその重さを量れる実験もしてますので…」
「へぇ~、こんな方法で木の重さがわかるのか~」→木の重さ=0.04×胸高直径2乗×樹高
そして、“room 4 水土の知プロジェクト”。ここでは、先ほどの講演室で行われていた土の水はけ実験を間近で見ることができます。
[田んぼの土水はけ実験]
「田んぼにはすきどこ層というかたい土の層があるから、水をためておくことができるんです」
とは、めがねのおねえさん研究者さんの説明です。
「日本の田んぼの稲って、水をためて育てるのに適した品種なんですか?」
と質問してみると、
「はい、水稲というんです、茎を通って根にも酸素を送ることができる種なんです」
「へぇ~、なるほど~」
ほかにも6つプロジェクト研究があるけど、内容がありすぎて紹介しきれない…
でも、多くのキッズが目を輝かせながらそれらのプロジェクトを見て回っていたので、
このなかから未来を担う研究者が現れるかも?
今回は、”アーティスティック Artistic”というより、”サイエンティフィック Scientific”な探訪でした。
[地球研キャラクター 地球犬 と 賀茂ナス子]
■ 関連リンク
上賀茂の森でのお茶席はいかが?|地球研オープンハウス 呈茶席「林鐘茶亭」(8月2日・総合地球環境学研究所)
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。