“It is so cool,light and sophisticated.”
今日は、
gallery near
moon songs 谷口和正 | TANIGUCHI Kazumasa
2013.8.16 fri. – 8.28. wed.
を見に行ってきました。
鉄を題材にしているアート作品だということで、それがどのような変身を遂げているのか、
期待にわくわくしながら。
ギャラリーのなかに入ってみると、
「…これは…」
と言葉を失うほどの、ボクにとって斬新な作品が壁に掛けられていました。
今まで見たことのない物体に、どのように表現してよいのかボクの脳がとまどい、
それでも新しいアートに出会った喜びをも感じているんです。
「…英単語の…これは”Fate mine”って象られて…」
と満ち欠けた月のオブジェクトを見ていると、
「これは歌の歌詞を象っているんです、球体に合わせて英単語の順番を変えながら」
と話しかけてくれた紳士がいました。作家の谷口和正氏ご本人でした。
今回の展覧会も作家さんからじかに作品のお話を聞ける幸運に恵まれました。
「ほぉ~、英単語の羅列なんですか…この球体はどのように作るんですか」
「それは半球体の型があって、それに合わせて下から順番に溶接して…
球体の場合はそのふたつの半球をこう、こんな感じで合わせて作るんです」
「なぜこのような球体に?」
「もともと音楽が好きで、そのタイトルや歌詞を最初は平面的につなぎ合わせていたんですけど、
それを立体的に表現しようとして、このような形になってきたというか…」
平面的な鉄のメッセージが球体の月に進化したんですね。
「あちらにも球体の作品があるのでどうぞご覧ください」
と案内された先にあったのが、完全球体の『月』でした。
こちらは撮影NGだったのでいつものようにイラストに描きました。
「これは…かっこいい…」
この月の内部にLEDが内臓されていて、月のなかで光が明滅、やわらかな光が部屋に拡散されて幻想的な小宇宙が現出しています。
「LEDの光でアルファベットの影がシートの浮かび上がって、ほらこんな感じで床や壁に映し出されてるでしょ…それを描いたのが、このような影のドローイングです、そしてこの周りに立っているのが、都市を表現したものです」
「はぁ~…歌詞のメッセージが広がってますね…LEDの明滅に天井・壁・床が呼吸しているみたい…」
感嘆のため息が出ます。ひとの創作する美しさがそこにはありました。
鉄という金属を素材にしながらも重々しさを感じさせず、月にまつわる歌のタイトルや歌詞から生み出されたアルファベットは鈍い輝きを放ちながらもひとを惹きつけ、それは人類にとって金属の中の最高峰として歴史的な文明勃興の原動力としての自負と誇りを帯びているからだと、そのように感じました。
「ファ~!とってもよかった!」
と大満足の展覧会でした。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。