今回は、京都芸術センターの
夏休み企画展 大西康明/松澤有子「dreamscape ─ うたかたの扉」
2013/08/3 ~ 2013/09/16
を見に行ってきました。
京都芸術センターは、以前明倫小学校だった施設です。
今では京都の芸術文化振興の拠点として利用されてます。
「お~、学校じゃん」
その廊下を歩けば、ぎしぎしと木のきしむ音が懐かしく聞こえます。
その先のギャラリー南に入っていくと、そこには大西康明さんの作品がありました。
作品名は、「垂直の隙間」。
「こ、これは…木に白い糸?…しかも、逆さま?」
日常では決して目にすることのない創造物に、またもやボクの脳が理解できずに戸惑っています。
だけどそれはうれしいことで、その戸惑いが鋭い刺激になって、頭の回路がカチカチと動き出すんです。
そして目を凝らして近くで見ると、
「白い糸?それに白い結晶…」
体を引いて全体を見渡せば、
「白い島?だとしたら…棲んでいるのは小さな白い妖精?」
と頭の中で想像が大きく膨らみます。
背後の壁は黒く、さらに際立つ黒線で国境らしきものが描かれ、
「白と黒の境は何だ」
となんの脈絡もなくボクの頭にはこう浮かびました。
少し時間がたって思い浮かんだのは、これは
「三次元の画期的な表現方法」
なのではないか、ということでした。
次はもうひとつのギャラリー北へ。
それは入り口をカーテンで遮断した、暗闇のなかの作品でした。
「な、なにも見えない…ん?あれは…なにか浮かんで…」
こちらは、松澤有子さんの「つむぐ」。
目が暗闇に慣れてくるにつれて、見えてきたのは、
「…ふしぎな…光景…」
無数の透明な葉っぱが、暗闇の宙に浮き、いのちを宿しているかのようにゆらゆらと。
それは非日常空間を生み出す、
“インスタレーション”
と名づけられた技法です。
暗闇のなかに浮かび上がる葉脈は、まさしくいのちを感じさせます。
「なんて、美しい…」
言葉が続きません。
京都の町角のふたつの空間に美が現出していました。
「ファ~!今日もいいもの見た~!」
今回も大満足の展覧会でした。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。