『アートの芽は、街なかのそこかしこに』
堺町三条のギャラリー妖精村を後にして、
ふらふら岡崎まで来て、神宮道を円山公園の方へ歩いていたら・・・
道ばたに大きなキャンパスを広げて絵を描いているお嬢さんがいるじゃないですか!
“アーティスティック探訪”をしているボクからすると、
「こ!これは声をかけねば!」
ということで、
「あの、ちょっとお話してもいいですか?」
と聞いてみたら、いいですよ、とお返事が。
この黒ぶちめがねの小柄なお嬢さんは、
「わたし、城崎雪(仮名)といいます、京都造形芸術大学4回生、日本画コースです」
「出た!」
ボクの”アーティスティック探訪”は、いうなればこの大学きっかけで始まったも同然ですから。
この城崎さん、青蓮院門跡のクスノキをパステルで描いてます。
「・・・これは・・・なんとも力強い・・・」
「ありがとうございます・・・このクスノキ、樹齢840年だそうです・・・この木の根はこの目の前の道路の下まで続いていて、ほら、この背後のマンションの広場もその木の根の影響で造られたそうなんです・・・ここで絵を描いていたら、いろんな人から教えてもらって(笑)」
樹齢840年といえば、このクスノキが生まれたのが平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての時期ということになり、おりしも今ボクが書いている歴史小説に妙にマッチします。
笑顔で教えてくれる城崎さんの、クレヨンのようなパステルで汚れた両手が印象的です。
“アーティスティック探訪”を始めてからのこのような不思議な縁・・・
なんでもこの作品は、大学の卒業展に出品するということなので、
かならず城崎雪(仮称)さんの卒業展は見に行きますよ~!
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。