“What did she see ahead of science and chemistry?”
今回の探訪は、なんとイギリスの方です。
外国のアーティストさんは初めて!
GALLERY GALLERY
Beverly Ayling – Smith
2013.09.28 (Sat.) – 10.12 (Sat)
12:00 – 19:00
このギャラリーは、河原町通を四条通からすこし南へ下ったところにある寿ビルの5階にあります。その洋館の年代を感じる階段をゆっくりと上がっていくと、ありました。
白い部屋のなかに、ビバリー・アリング-スミスさんの作品はありました。
「…白と…黒の…対比…」
このイギリスの作家さんは、『喪=mourning』に対する悲しみやふさぎこみといった感情的状態を追求しているということです。
「喪を追求って…ということはふたつの世界(生と死)の境を模索…表現しているのかな…」
この白い部屋に、黒い作品、という対比からそのように感じます。
「これはバラにコールタールが塗ってあって、このバツの形は鉛なんですけど…この部分、七つだけで…なんでもこの作家の亡くなった知人の人数だそうです」
とギャラリーの係のお姉さん」が教えてくれました。
「ということは、十字架…を表している、ということですかね」
壁一面に貼られた黒い布(キレ)に、縦31 × 横20 の黒いバラの花びら。
黄泉の国へ向かう死者の道は、この世の人々によって捧げられた献花によって明るく照らされるという。
これらの黒いバラの花は、そのためのものなんでしょうか。
ビバリー アリング ‐ スミスさんは2001年に 理学化学系の大学を卒業されているとか。
その理系の才能が、『喪』という人の感情がもっとも吐露される状態をどのようにとらえているのか。
「理学化学の先に、なにを見た?」
この黒き作品を目の前にすると、その観る者の感じ方のふり幅の大きさを内包している、と知らされる思いです。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。