“Between the fortuitous and necessity” -偶然と必然の狭間で-
三条通はアート通です、その沿道には数々のギャラリーが軒を連ね、
「今日はどんな初めてアートに会えるのかな?」
と思いながら、軽く坂になっている三条通を京阪三条から東へ歩いて、
アートスペース虹
松野純子展
9月24日(火) - 29日(日)
11時 – 19時 (最終日18時)
を見てきました。
カラカラカラと、ガラスの引き戸を開けながら、
「あれ?だれもいないのかな?」
と言ってみると、奥からこのギャラリーの方が出てこられ、
「あら、どうぞ、ご覧ください」
と快く迎えていただきました。
[Silent Alarm Ⅰ]
「これは…墨のような…」
壁にかかったキャンパスには吹き付けられた墨のような斑模様が描かれ、
「よく見ると…螺旋…?」
[Silent Alarm Ⅰ] (拡大)
脳のなかの神経細胞・シナプスのような螺旋模様が無数に描かれてます。
「わぁ~、ようこそ…ありがとうございます」
と迎えてくれたのは、作家ご本人の松野純子さん。お出かけから帰ってきたようです。
お肌の白い、(ハーフなん?)と一瞬感じるほどのきれいなおねえさんです。
「おっ!これはまた独特の模様ですね~、どうやって描いてるんですか?」
「これは高いところ、2階から墨を無造作にたらして、その墨が乾いてから細い線を描いていくんです」
「ほわぁ~、そ~ですか~…でもよく見ると、めちゃ細かいですよ…」
これらの作品の素材は、和紙・墨・色彩墨・水性ボールペンといった、とても身近にあるものだけです。だけど、それらが作家の才能を経由すると、こういった未知なる作品としてこのように世に生まれるわけで。
「墨をたらすという行為はわたしがするということから【必然】で、それが紙の上で作り出す模様は【偶然】の産物で…その偶然をわたしがなぞって線を描くということで、こっちに=【必然】に再び引き寄せる…といった作業ですね」
この作業がとても好き、とMatsuJunは言います、その瞳はきらきら輝いてます。
使うアイテムも身近なもの、その制作作業も単純、だけれども作品になぜか惹かれる…
偶然と必然によって生み出された数々の模様は、
蓮の華・人の内臓・小さな迷路・磯の貝・アメーバのような微生物
というように、さまざまなものに見えるんです。
[ みんなの住まい ]
「朝起きてすぐの、2時間くらいがきれいな線を描けるときなんです」
理性の脳が目覚めるまえの、本能の脳で行動する時間帯だから…
ということなんでしょうか。ボクにはそう思えました。
アーティストとしてのとても適した数時間。
輝きを放って制作に打ち込む姿が目に浮かぶようです。
“I was satisfied! (今回も、いいもの見た~!)”
It was the exhibition by Beautiful Artist MatsuJun.
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。