「おっ?こんなとこでこんな展覧会やってる!」
ふらりと寄った三条通のギャラリーでは、日常の風景がキャンパスに描かれていました。
中原絹代展 -風景と記憶-
2013.9.17 ~ 9.22
京都文化博物館に行くまえに見かけた町のギャラリーに、パート・ド・ヴェールを見た後に寄ってみると、
「ふぁ~…なんともなつかしくも、素朴な…」
日本の田舎の風景画が壁一面に掛けられてました。
それらは、
『石垣の運河』『棚田』『田んぼ』『桜』『緑の竹林』
といった油絵で、
「あの、どうぞ」
とお茶を出してくれたご婦人が、作家中原絹江さんご本人でした。
「これはご近所のどこかがモデルなんですか」
「あ、はい、わたし滋賀に住んでまして、その辺りの風景です」
「ほぉ~、そこでご自身スケッチされて」
「はい、スケッチを何枚か描いて…う~ん…これは油に仕上げられるかな、と」
『ウェーブ』と名づけられたワイドビューな作品は、
「滋賀の、通りすがりの小学校なんです」
と。それだけで、子供のころの記憶と重なる部分があって、安心するというか。
絵のモチーフは、日本のどこにでもある風景なんだけど、
それらを絵にすることによって、なにか惹きつけられるものがあるんですね、
「これはわたしの家の近所なんですか?なんだかとてもなつかしく思えて…」
とひとりの来廊者の女性が涙を流されていました。
これらの素朴な日本の原風景といった絵に囲まれていると、
「はぁ~…日本って、いい国だな…」
としみじみ思いました。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。