“You will take a fancy to the fantastic works of this female artist.”
秋とはいえ、京都の街中を歩けばまだまだ少しは汗ばむ陽気です。
そんななか、
gallery near
無窮螺線 オガサワラミチ展
2013.9.27 fri. – 10.9 wed
12:00 – 22:00
を見てきました。
「なんだか不思議な絵があるみたい」
ということで、これは実際に本物を見なければと。
地下に続く階段をとことこ降りて、ギャラリーのなかに入ってみると、床の間形式の展示場の壁にいくつかの作品が掛けられています。
「スパイラル」 2013年 297×420mm ミクストメディア (左から四つ目)
「ほぉ~…これかぁ~…」
とお目当ての作品を見ていると、
「あ、ありがとうございます」
と作家のオガサワラミチさんご本人が挨拶してくれました。
ここのギャラリーは作家さんがいつもいらっしゃるので、直接お話を聞くことができてうれしい限りです。
そのオガサワラミチさんが言うには、
「これらの絵は、自分の中にあるものを吐き出してできたんです」
とのこと。
「わたしの体に任せて、自分の手にゆだねて線を描いてます…
最初に完成形があるというわけではなく、予想外のものができるんじゃないかという楽しさを感じながら…」
そしてこれらの作品の生まれるきっかけとなったのが、「起」という作品で、それは『線』から『立体』への架け橋になったそうです。
この小さなキャンパスが、その他の作品の母体になってます。
アーティストとしての原点…とても大切です。
そして、
「起」 2013年 180 × 140 mm ジェッソ (左から二つ目)
「自分のシバリから解放されてこれらの絵を描きました」
というミチさんの代表作・「スパイラル」を見ていると、その独特な世界観に魅了されます。
「…北欧のおとぎの国の妖精たちが遊ぶ…ようにも見え…
カンブリア大爆発の深海生物…のようにも見えて…」
アーティストの才能が解放されたときの芸術的表現なるものは、
ボクらの脳に、
「自由に遊べ!無限を感じよ!可能性に限界はない!」
と訴えているように思えます。
「無窮螺線」 2013年 2600 × 3000 mm 2600 × 2000 mm ミクストメディア
ギャラリー入り口の左横の小部屋には、その三面の壁一面に大胆なそして豪快な壁画
が描かれてます。
その壁画部屋の真ん中に立つと、作品に囲まれたときの心地よさを感じます。
そして、この大きな作品を見ているうちに、
「…線…とは…何だ?…」
と考えてみたり。
アーティストが取り付かれたように線を描くのはなぜ?
この答えは簡単には見つけられないとは思うけど、
その先の何万年後に、線が意味を持って文字になったんじゃないか、なんて思ったり。
地下のギャラリーから階段をとことこ上がって外へ出て、陽の光を浴びて一言。
「ほぉ~!今日もいいもの見た~!」
(注)カンブリア爆発:5億4200万年前から5億3000万年前の古生代カンブリア紀に起こった、
今日見られる生物分類の階級のひとつ「門」が出揃った現象のこと。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。