“ It is so good beyond all expectations.”
この日の前半にふたつのギャラリーを見て周り、とことこ歩いて京都大学まで行き、
そこの学生食堂で安くておいしいランチを食べて、
「ふぁ~!おいしかった!」
と、夜のお仕事のあとに寝ないで出てきて、おなかもいっぱいになって、
かなり眠くなってきたところで、
(さて…どうしよう…)
とりあえず、当初予定していた三つ目のギャラリーへ行って、
つまらなかったらそのまま素通りしようと。
GALLERY 恵風
A Lump of Feelings
2013年9月24日[火]~9月29日[日]
12:00 ~ 19:00 (最終日は18:00 まで)
植田麻由展
GALLEY 恵風は、丸太町通東大路を東にちょっと入ったところにあります。
階段を上がって、2階のギャラリーに入ってみると、そこにはなんともこころなごむ陶器たちが
佇んでいます。
「…これは…なんだかあったかい…」
その形・その色使いから受ける印象はとてもやわらかく、
こころの奥がぽっと温かくなるような陶器の作品です。
「おとぎの国に出てきそうな…きのこ…のようで、きのこじゃない…」
「船のイカリ…のようで、イカリじゃない…」
その形はどれも鋭い角などなく、ゆえに目に緊張を与えることなく、
ゆるやかな丸みと優しい色使いから受ける作品の、ボクへの語りかけは、
この日のボクが寝ないで来て、とても疲れているはずということを忘れさせるものでした。
MAYU UEDA の陶器たちは、疲れを癒すチカラを持っています。
「これらの作品のイメージは、植田さんの、こころから沸き上がるそうですよ」
とは、ギャラリーのおねえさんの言葉です。
MAYU UEDA の、胸にあてた両手をゆっくり開くと、その手のひらに薄黄色の陶器が乗っている、まるで手品のように…
そんな映像がまぶたに浮かぶ、展覧会でした。
「寝てないから、つまらなかったら素通り…なんて、失礼しました!」
“Fine art heals your fatigue.”
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。