“ I came from Osaka…..and went astray!”
白白庵主宰・石橋圭吾氏一押しのアーティスト、大槻香奈さんの作品をじかに見たくて行ってきました。
gallery near
言葉のうまれる前に
中村至宏 下田ひかり 大槻香奈 3人展
2013年10月25日(金)-11月13日(水)
12:00 – 22:00 木曜休廊
「月と似た幻惑」 2010年 1303×1621mm キャンバス アクリル (一番左)
バックに描かれている現代を象徴するビルの群れは無機質に存在しているが、
ひとびとの生活はその中で労働する人々の営みによって支えられている。
その前面に立つ、胸から膝上までが半透明の少女は、その黒き瞳で何を捉え、何を思うのか…
「天」 2013年 455×333mm ケント紙 アクリルトーン 鉛筆 (左から2番目)
サラサラのショートカットの黒髪、三本のラインの入った襟をネクタイでソフトに結んだセーラー服に身を包んだ女子高生。
つぶらな大きな黒い瞳に、すじのあきらかでないひくい鼻、上唇はうすく、下唇は少し厚い。
どこの町にもいそうな女子高生と思えるのだが、言い知れぬ特別感をかもし出していると思うのはボクだけだろうか…
中村至宏 「The imaginary sky」 2011年 970×1455mm キャンバス アクリル (一番左)
(この少女も、特徴的な瞳を持っている…)
と、こころのなかでこの絵に対する感想を考えていて、なかなかいい表現ができないでいたのです。そんなところへ、すっとこの絵のまえに立ったひとりの女子がいたので、思わず聞いてしまいました。
「あの、この絵を見て、どんな風に感じます?」
そのひとは、ボクの問いかけに気さくに答えてくれました。
「言葉ではうまく言えないですけど…なにか…感じるものはあります」
このひとは、桐谷架純(仮称)さん、黒のジャケットにパーカー、髪を明るく染めたショートへアーの活発そうな女子です。
「芸術を見たときの感じ方は人それぞれでいいと思います…それに、色がきれい…」
とか、
「生と死、を見て取れますよね、ほら、あそこに枯れた花が描かれて…それにあの左手はその生を掴み取ろうとして」
と、くるくると絵を見て、自身の感想を教えてくれました。
「あ~!なるほど~!それはいい見方です!」
この日は、作家さんが在廊されていなかったけど、この桐谷さんとのギャラリートークはとても楽しいものでした。
中村至宏 「幽韻の方舟」 2013年 727×727mm パネル モデリングペースト アクリル (一番左)
「わたし、大阪から来たんです…これから難波で用事があるので」
「え~!大阪から!」
とギャラリーを後にして帰り道を途中までご一緒しました。
「じゃ、ここの道をまっすぐ行って、適当なところで右に曲がれば、鴨川にでますから」
と、ボクはいつものように京都大学の学生食堂でランチをと、そのまえの歩道でお別れしました。
[かけうどん 麦入りご飯 出し巻き ロールキャベツクリーム ¥546]
「ふぁ~!今日もおいしかった~!」
京大学食を後にして、東大路通りを南へとことこ歩いて、次のギャラリーへ行こうとしていたら、
信号待ちの交差点の向こう側に、さっきまで一緒にいたひととよく似たひとが。
「あれ?あの姿は…」
桐谷さんと別れてすでに30分以上は経っているから、すでに駅に着いて電車に乗ってるはず、
と思ったけど、気になったので後をついていって確かめてみました。
「あの、もしかして、桐谷さん?」
「あ~!よかった~!わたし、迷子になってたんです~!」
「こっちですよ、駅まで送りますわ」
そこから京阪神宮丸太町まで、つらつらおしゃべりしながら一緒にお散歩しました。
そして今度こそ京阪の駅の入り口まで送って、バイバイしました。
「今日もいいもの見た~!&とんだハプニングもあったけど、とても楽しかった~!」
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。