“There was a bewitching beauty of the Heianjidai period’s aristocracy.”
まったく、行き当たりばったりでも、すばらしいアートには出会うもので。
ギャリエヤマシタ2号館 (アート&フレーム ヤマシタ 南隣)
日本画・創作人形 西岡信子展
2013年10月15日(火) ~ 10月20日(日)
AM11:00~PM6:00
いきつけのカフェに行く前に、寺町通をぶらぶらしていて、たまたま見かけた展覧会の案内に導かれて入ったギャラリーです。つまらなかったら、そのまま素通りしようと思っていました。
「…と思ったけど…これは美しい…」
そこには、平安貴族の艶やかな十二単が描かれていました。
文を読み、虫の音を聞き、花を愛で、巻物を読み、鏡で化粧をする平安貴族の女房たち…
宮廷に入って宮仕えをした才女たち:清少納言や紫式部や菅原孝標の女(すがわらたかすえのむすめ)を彷彿とさせます。
その十二単の柄を見ると、
『鳳凰・菊の花・菱形文様』
などのデザインが施されています。
作家の西岡さんが在廊されていたので、お話を聞いてみました。
「これらの図柄は、なにか参考にされて描いているのですか」
「いえ、ほとんどわたしの感性です、元々帯のデザインを描いていましたから…鳳凰などは季節を感じないデザインなので」
なるほど!平安時代のモチーフを元に、現代人である作家のエッセンスが注がれた作品、ということだとボクには思えました。
「五人ばやし」と名づけられた作品には、長い黒髪に白き肌を持つ女房たちが、白菊色・薄女郎花色・朝顔色・桔梗色・赤朽葉色の十二単を纏い、五つの楽器:琵琶・鼓・尺・笛・笙を奏でている様子が描かれてます。
その十二単は、色紙(いろがみ)をずらし重ねたように美しい…
この時代の人物の表情は、細目に鉤鼻といった扁平としたものなのに、それとはまったく対照的に
その召し物の派手やかなこと。
ここにも、西洋人にはない、日本人の神秘性を感じることができる、と思うのです。
平安貴族には、やはり恋の和歌がよく似合うということで…
『思ひつつ ぬればや人の 見えつらん 夢と知りせば さめざらましを』 小野小町
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。