“It is so shining,sparkling and twinkling by the divine work.”
「11月に入ったら、また別のすばらしい作家の個展を企画していますから」
とギャラリーオーナーさんから言われていたのを思い出し、期待を持ってこの個展に行ってきました。
コンテンポラリーアートジュエリー
gallery C.A.J. 田口史樹展 Fumiki TAGUCHI
2013年11月9日(土)~11月24日(日)
OPEN 13:00 ~ 18:00 CLOSED Monday,Tuesday
ギャラリーに入って間髪いれず、
「うわ~・・・光り輝いている・・・なんてきれいな・・・」
とその美しさに見とれてしまいました。
展示されているのは、ブローチやネックレスなどのアクセサリーです。
「これらは作家自身がタガネで打ちつけ、糸鋸で切り出しているんです」
とさっそくギャラリーオーナーさんの説明をいただきました。
オーナーさんはじっくりと作家さんと対談しているのでしょう、その作品に対する姿勢がまっすぐで、その説明も的確明瞭でとてもわかりやすいのです。
「これは、材質はなんですか」
「シルバーです、ダイヤとかの宝石は一切使っていません」
「え!宝石は使わずにこの光沢・・・」
「すごいでしょ~、それもレーザーとかの機械的な技術も一切使っていないんですよ」
もう、息をするのを忘れてしまうほど、まじまじと顔を近づけてそのメインの作品を見てしまいます。
その光の魔力を象徴するかのようにこのアクセサリーには髑髏が象られています。
「さらにこれは6層に切り離すこともできるんですよ・・・ほら!このように、見てください」
とオーナーさんは壁から髑髏アクセサリーを取って、その細やかな作風を見せてくれました。
「ほぁ~・・・息ができない・・・」
それほど、見とれてしまう仕上がりです。
この写真の右側のアクセサリーには、
『双頭の獅子』
が向き合って象られています。
少し離れて見ると、まるでそれは西欧の王家の王冠のように見えます。
ひとは古から光り輝くものに魅了されてきているけれど、その輝きに魅了される根源にあるものとはなんだろうと考えてみると、すでに無色の『光』のなかにそれは存在していて、これらのアクセサリーはその美しさを取り出すことのできる装置なのではないか・・・
「それは、ひとの『技』だと思います」
とはオーナーさんの言葉です。
「究極までに研ぎ澄まされた職人的な神業・・・日本にはそれがあると思います」
「なるほど~・・・あの、さっき千總の着物見てきたんですけど、これらはその着物にも合いますかね」
「合うと思いますよ、これなんか帯留めですから」
「お~!千總の着物とこの光り輝くアクセサリー!見事につながったわ~!」
ギャラリーオーナーさんとの、あれやこれやの美術談義はとても楽しいものでした。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。