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京都市美術館 竹内栖鳳展 近代日本画の巨人|中里楓のアーティスティック探訪 36

投稿:2013年12月26日

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“The colossus’s compositions take our breaths away…”

優待チケットをいただいたので、早速この展覧会に行ってきました。

京都市美術館開館80周年記念
竹内栖鳳展 近代日本画の巨人
2013年10月22日(火)-12月1日(日)

「これは…一大マーケットだな…」

と思えるほど大勢の人でにぎわっていました。

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会場は、竹内栖鳳の一生を4つの章に分けて、その年代ごとに作品を展示しています。
その章のすべての作品をこの短い紙数でレポートするのは難しいので、その中から数点を選んでご紹介します。
なお、掲載する写真は美術館の売店で購入した本から転載しています。当然ながら美術館での撮影はできないので。
 

第1章 画家としての出発 1882 - 1891 

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「保津川」 The Hozu River  明治23(1890)年 26歳
東京国立博物館

「墨の濃淡でこれだけの岩を…このあわあわとした水の流れ…それにうすぼやけた遠景が…」

息を呑むほど美しい。
 

第2章 京都から世界へ 1892 – 1908

“西欧的実物観察にもとづいた写生”と“日本の伝統絵画の写意”の融合。
『写意』とは、対象の本質を描き出すこと。

今回の展覧会で初めて、この『写意』という言葉を知りました。
日本の芸術は、物事の本質を突いている、というのはうすぼんやりとは感じていました。

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「大獅子図」 Lion 明治35(1902)年頃 大阪藤田美術館

一見複雑な筆遣いには見えないのに、肌理細やかな毛並みは実に写実的でその質感も感じられ、ぼかしやにじみと相まって鬣(たてがみ)のふわふわ感が、まるで本物のよう…

「…生きている…魂が、宿っている…」

写真ではなく、ひとの描いた絵だから、そうなのでしょう。

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「ベニスの月」 Moon over Venice 明治40(1907)年 大英博物館
(四代飯田新七 作 竹内栖鳳 原画)
©The Trustees of the British Museum. All rights reserved.

これはビロード友禅。
内に秘めたる水の都の美しさを、墨でもって浮かび上がらせたように。

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左:雪中松鷹刺繍       右:雪中蒼鷹図
明治27(1897)年       明治26(1896)年頃
Hawk on a Snowy Pine Branch
清水三年坂美術館

「おぉ!出た!清水三年坂の刺繍絵画!」

元の絵(右)もすばらしいけど、それをさらに刺繍してしまうとは!
しかもその完成度が究極で、これぞ日本の神業、とただただ見とれてしまいます。
 

第3章 新たなる試みの時代 1909-1926

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「班猫」 Tabby Cat 大正13(1924)年 山種美術館

「ほぉぁ…この猫も…生きているとしか思えない…」

ボクを含めて、館内の多くのひとがこの猫の絵に引き寄せられています。
体をくねらせるその姿勢は、ひとを誑しこむ魔力を持っていて、
さらにそのエメラルドグリーンの瞳と目が合えば、もうボクらはそこから離れることができない。
 

第4章 新天地をもとめて 1927-1942

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「炎暑」 Parching Heat 昭和5(1930)年 愛知県美術館

「おっ!じょうろに蜂、生活の一場面哉」

これまで見てきた作品は、それこそ大作大作と呼ばれるにふさわしい大仰なものでしたけど、
ここにきてこのような生活の一コマを描写していることに、ほっと安心したのです。
この絵に触れて竹内栖鳳という画家を、とても身近に感じることができました。

今回の展覧会では、竹内栖鳳の作品が過去最大規模の約100点展示されています。
それをたかだか数時間で堪能しようなんてとてもできるものではありません。

だけど、そのなかから自分のアンテナに反応した作品をじっくり見ることはできます。
近代日本画の歴史に大きな足跡を残した人なので、やはりボクのこころの琴線に触れる作品が数多くありました。

「ふぅ~、このここちよい疲れ、今日も最高にいいもの見た~!」



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