“I experienced one of the traditional crafts: Wood engraving. And I enjoyed it.”
木版印刷 伝統木版画工房 竹笹堂 体験教室
アーティスティック探訪をしていると、いい作品に出会うことはとても多いです。
そんな中、見ているだけでは飽き足らなくなってきて、
「…なんか自分の手で創作してみたい…」
という欲求がむくむくとわきあがってきていたのです。
そんな時、とある雑誌の特集でこの竹笹堂さんの記事を目にし、
木版画の体験教室も開かれていることを知ったのです。
「おっ!これならボクにもできるかも!」
と思い、本日その木版画体験教室に行ってきました。
京都四条西桐院のすぐ近くの膏薬辻子という小道をススっと南に入っていくと、
京都によく似合う町家がいくつかたたずんでいます。
その中のひとつが竹笹堂。
以下に体験した木版画の作り方を順番に見ていきましょう。
(1)まずは『構図』から。数あるイラストの中からモチーフをひとつ選びます。
今回は弓矢を選んでみました。
個人ブログ「オレンジ君の散歩路」で書いている武家物語にちなんで。
(2)そのモチーフをトレーシングペーパーに写し、それを裏返しにしてその下にカーボン紙を挟んで版木にのせ、上からそのモチーフをなぞります。するとこんな風に版木に絵が写されます。
(3)次に『彫り』。その版木を3種類の彫刻刀で彫っていきます。
まずは版木刀という三角の刃を持つ彫刻刀で線に沿って凸型になるように。
その後その周りを丸刀で彫り、最後に曲丸刀で大きく版木の下の層が見えるまで彫ります。
「こんな風に木を彫るのは、小学校以来かも…意外とむずかしい…」
とは言いながら、
「シュッッ…シュッッ…」
と木を彫る感触は気持ちのいいものでした。
このやわらかい抵抗感…刃が木に食い込み、なめらかになめらかに刃がすべる…
木版画の作家があのような美しい版画を生み出すのは、この手に伝わる『快感』がその根っこにあるから…そう感じました。
④次に『摺り』。準備されたのは、絵具・大和糊・絵具皿・バレン・刷毛・水・絵はがき。
「絵具皿にお好きな絵具を5円玉くらい出してもらって、次に水もおなじくらい…」
と講師のおにいさんがやさしく教えてくれます。
それを小さな刷毛でしっかりなじませ、大和糊を割り箸の先につけて版木に塗っていき、
その上から溶いた絵具をのせて、細い毛の密集した刷毛で版木の模様の上に摺りこんでいきます。
「この糊は定着剤の役割をするんです」
糊を使うことの理由を質問すれば、丁寧におにいさんが答えてくれました。
わからないことがあればきちんと答えてくれる、そんな安心体験教室です。
絵具はパームスカーレットという鮮やかなオレンジ系の色を選びました。
どんな色を選ぶのか、というのも木版画の楽しみのひとつです。
そして絵はがきをのせて、バレンで手の甲を押し当てて円を書くように摺ります。
⑤そして出来上がり。版木からはがすときは、ちょっとしたわくわく感も。
中には摺るときにずれてしまったものもあるけどね。
この竹笹堂の木版画体験教室は、木版画の『構図』『彫り』『摺り』という一連の流れをコンパクトに体験できるものでした。
「やぁ~!めっちゃ楽しかったぁ~、木版画!」
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。