“40 artist’s work of Changing Seasons in Kyoto –From Spring to Summer”
5月も半ば、全国的にも夏日が観測されるようになり、ここ京都でも鴨川には納涼床が開かれるようになりました。
少し歩けば汗ばむようになったそんな日に、この美術館に行ってきました。
京都府立堂本印象美術館
40人の作家による 京のうつろい -春から夏へ
2014.4/4 fri →6/15 sun
「堂本印象」
という名は、ギャラリー巡りをするようになってからよく聞くようになっていたので、いつかはこの美術館に行かねばと思っていました。
とても斬新な外観を持つ堂本印象美術館に入ってみれば、この期間は特別企画展の40人の作家さんの手になる作品がずらっと館内に並んでいました。
その中から、気に入ったものをいくつか挙げてみます。
○堂本元次 花映りて水匂う 平成4年 紙本着色
絵全体が淡いピンクで描かれて…
嵯峨天皇の離宮跡・大覚寺の東にある大沢池、その池の周囲に植えられたサクラが満開を迎え、それが池の水面にも映りこみ、その色が空にも映えて、池の対岸からながめたその風景は輪郭のぼやけたタッチがサクラの存在感をいっそう際立たせているかのよう。
○濱田昇児 大野渓谷 昭和61年 紙本着色
絵全体が濃い緑で描かれて…
現在はダムになった渓谷。
遠くの山々はうすぼやけ、手前の山は濃い緑、ダムの緑色はその深さを髣髴とさせ、
天の月の影がゆらめく水面に見事に映える。
この2枚は隣同士に並んでいるので、ピンクと緑の対照がとても際立っています。
岩倉壽 里 平成4年 紙本着色
白が基調の絵に春の陽気が漂い、老紅梅の枝に留まるムクドリ。
○松本文子 Hello,by the river 昭和61年 紙・色鉛筆
「これが…色鉛筆で…」
あふれんばかりのまぶしき光が表現されています…それも必要最小限の描きこみで…
バックに鴨川べりの緑、伏し目がちの瞳に憂いのただよう、さらっとした髪を風になびかせる女性、そこに右上から左下に光のスジが流星のように描かれて…
足を止めて数分間、見惚れてしまいました。
この美術館にはゆるやかなスロープがあって、この絵はその一番端っこに掲げられていて、
順番に次の絵を見ていって反対側の作品を見終わってからまたこの絵のところに戻ってきて、
再び数分間、見惚れていました…
ふぅ~…この女性に恋をしたようです…
○茄子に鶏 智積院宸殿襖絵小下絵 昭和33年 水彩・紙
うっすらとした筆のタッチが見事に茄子と鶏を描いています。
○普寧 西芳寺本堂襖絵小下絵 昭和44年 鉛筆・墨・紙
これは抽象画。印象はその人生の後半は抽象画を描くことが多かったということなのですが、
「う~ん…どっちかというとさっきの『茄子に鶏』のほうが好きだわ」
ボクにはまだ堂本印象の抽象画のよさはわからないようです。
これは今後の宿題です。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。