“Are you enjoying drawing pictures?”
厳かな石造りの京都市役所の西側に南北に伸びる寺町通には、たくさんのギャラリーが軒を連ねています。
そんな寺町通を、ギャラリーのショーウィンドーを覗いて歩くのが大好きです。
オプトギャラリー
谷口恭子 青田ひろみ 水彩画二人展
2014年4月25日(金)~30日(水)
この日もいつものように寺町通を歩いていて、ふらっと入ったのがこのオプトギャラリーでした。
やはり優しい色使いの絵に惹きつけられたのでしょう。
あじさいの咲く道 2013 8 19 倉吉市 青田ひろみ
遠くの山 緑の田んぼに ブリキ小屋
細く伸びるいなか道のかたわらに 高貴なムラサキ色のあじさいの咲き誇り
このような日本の風景は、
子供の頃は駆け巡る遊び場で、
思春期には嫌い反発し、
大人になってその人間の手の加わった温かさのこもった風景の美しさに気づくもの。
この絵は、そんな人生の通り道を思い出させてくれます。
やさしい色の水彩画でね。
蒜山錦秋 青田ひろみ
「絵を描くことって、楽しいですか?」
この絵を描いた絵描きさんが在廊されていたので、素朴な疑問を聞いてみました。
「楽しいときも、そうでないときもあります」
絵描き青田ひろみさんが答えてくださいました。
「クーラーのない暑い部屋のなかで、暑さを感じずにのめりこんで描くことがあります」
神経が絵に集中している、そんな絵描きさんの姿がまぶたに映るようです。
牡丹 谷口恭子
輪郭のぼやけた、やさしい色使いです。
最近は花の美しさに気が引かれます。
特に、ピンクから白に、またはその逆の白からピンクに、徐々にうすく滲むような色使いに言い知れぬ美しさを見ています。
薔薇 谷口恭子
たとえばこの絵の真ん中の薔薇。
みごとに一瞬の色の美しさを切り取っています。
津和野の教会 谷口恭子
「お腹すいた~!」
と思っていたのに、これらの絵と向き合って静かな会話を楽しんでいるときはそんなこと忘れてしまいます。
そう、自分の好きな絵と向き合っての静かな会話とは、絵の向こう側にいる絵描きとの語り合い。
絵の色・雰囲気・モチーフなどを味わいながらの会話です。
「昔は嫌いだったのですけどね」
いなかの風景は、とは、
これらのいなかの絵はその場所にスケッチしに行くのですか?
というボクの質問に答えてくれる青田ひろみさんの言葉です。
「立山連峰の稜線からす~っと、こう・・・田んぼの広がる風景を見て、『あ~!なんて美しい!』って」
とうれしそうに語ってくれる青田ひろみさんとのギャラリートークはとても楽しいものでした。
何気に入ったギャラリーでの行き当たりばったりの出会いに感謝です。
一年に一回展覧会を開かれているということなので、来年も楽しみに待っています。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。