“These photographs reflect generations between us.”
「これは、何の写真だろ?」
いつものように寺町通をぶらぶらしていて、ふらっと入ったギャラリーには物珍しい写真が掲げられていました。
ギャリエヤマシタ2号館
「京都 残照 蟻地獄」
穐葉誠一写真展
2014年5月20日(火)~25日(日)
11:00-18:00 *最終日のみ17:00まで
写真展を鑑賞するのは初めてです。
よくよく見ると、地面の写真です…三角錐が逆になった穴がいくつも写っていますが…
「これは何の写真です?」
ギャラリーにいたご年配の紳士に聞いてみました。この人が、この写真を撮影された穐葉誠一氏でした。
「これは蟻地獄なんです、京都のお寺をあちこち歩き回って撮影したものです」
「蟻地獄!なんとも珍しいですね」
「はい、わたしの子供の頃の、シンボリックな情景はなんだろうと考えたときに思い浮かんだのが、蟻地獄だったのです」
なるほど~、時代のシンボリックな情景が、蟻地獄とは。
蓮華寺 (上高野八幡町)
勝林院 (大原勝林院町)
同じ京都でも、場所によって土の色が違うのですね。
常寂光寺の蟻地獄 (嵯峨小倉山小倉町)
「!!」
青い蟻地獄も存在するなんて。
いつものようにスケッチしてみました。
「このような保護色ならわかるのですけれどね」
と穐葉さんが説明してくださいました。
「青い蟻地獄ですものね…突然変異でしょうか…生命のふしぎな神秘を見るようです」
このようにボクの率直な感想を言えば、真摯に受け答えしてくださる穐葉さんと奥様とのギャラリートークはとても楽しいものでした。
…子供の頃のシンボリックな情景…
人生をひとつのリングだとすれば、年を経て、徐々にひとが生まれた時点に近づいてきているからその情景を思い浮かべるようになる、ということかもしれません。
※reflect 反映する
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。