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京都国立博物館 南山城の古寺巡礼|中里楓のアーティスティック探訪 68

投稿:2014年6月20日

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“That is the land of prayer and comfort.”

この名門の京都国立博物館へは、今回初めての訪問でした。
赤レンガの堂々たる美しい博物館です。

京都国立博物館
特別展覧会 南山城の古寺巡礼 祈りと癒やしの地
2014年4月22日(火)-6月15日(日)

南山城とは、奈良と京都にはさまれた、木津川沿岸の流域です。
24号線を宇治から南下して、木津川沿いをクルマで走れば東側に深い緑の山を望み、
163号線を東に折れて笠置に向かえば、川沿いの絶壁に澄んだ空気を味わうことができる地です。
しかもひとたびその地に降り立てば、一種の神々しさを感じることもできるのです。
ゆえに今回の展覧会で展示される139点もの作品が生まれる素地があるのでしょう。
それでは、その圧倒されるほどの作品の中からいくつかをピックアップして見てみましょう。

[第Ⅰ章] 南山城の歴史と文化

○当麻寺練供養図  江戸時代 元和七年 西寿寺
  中央仏の額から図の右下にめがけてビーム発射!の図。

○人物埴輪 堀切七号墳出土 古墳時代 六世紀 
  ベルトらしきものを腰に巻く、時代の最先端の装い。

[第Ⅱ章] 瓶原と海住山寺

○重文 十一面観音立像 平安時代 九世紀 海住山寺
 「見る・聞く・嗅ぐ・味わう・考える」
 頭部とはこれらの重要機能を持つパーツで、それが十一面あって周囲を見渡しているから
 人々を救う力があるのでしょう。
 白檀によって造られたその壇像は、ふくよかなお顔とゆるやかな曲線の体を持ち、
 身にまとう衣は天女の羽衣伝説のそれを思わせるなまめかしさをかもし出しています。

○重文 四天王立像 鎌倉時代 十三世紀 海住山寺 
 健保二年(1214年)に五重塔内部に安置された舎利を守護する四天王の像。
 まさしく鎌倉時代のフィギィア。

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多聞天 右手に宝塔 左手に戟を持つ

○青白磁唐子蓮華唐草文百合口瓶 中国・南宋時代 十三世紀 海住山寺
  影青と呼ばれる青白磁。中興二世の覚真(慈心上人)が土御門天皇から下賜されたもの。  
  その透き通る淡い青が美しい。

[第Ⅲ章] 笠置山と笠置寺

○笠置寺縁起絵巻 室町時代 十五世紀 笠置寺 
 中巻・下巻は元弘の変から建武の新政までの笠置寺衆徒の活躍を描いたもの。
 武士らが飛び跳ねおどる、色鮮やかな挿絵の巻物です。

[第Ⅳ章] 浄瑠璃寺と岩船寺 -当尾の里-

○国宝 四天王立像のうち 多聞天立像

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等身大の多聞天 バックには火炎の迫力 鎧の無骨さ ベルトのバックルには獣の顔

[第Ⅴ章] 南山城の古寺

○重文 愛染明王坐像 平安時代 十二世紀 神童寺 
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愛欲の力を悟りに変える尊像 
獅子の冠 六本の腕 体は赤く 弓矢は天を狙う 別名「天弓愛染」
矢の鏃がハート型になっています。

[第Ⅵ章] 一休禅師と酬恩庵
 
○一休宗純像 自賛 室町時代 十五世紀 酬恩寺 
 長い朱太刀を添えている掛け軸。朱色の鞘が鮮やかです。

○松竹梅図襖 狩野探幽筆 江戸時代 慶安三年
 酬恩寺方丈は慶安三年(1650年)加賀小松城主前田利常によって再興され、この襖はその礼之間に安置されたもの。その水墨画は生きた筆の息遣いが伝わるもので、中でも白鷺の必要最小限の筆による描写が絶賛です。

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庭園の噴水とロダン像

展示場全体を通じて一番に印象に残ったのは、やはり立像・坐像のその精巧さです。
約3時間、とても見ごたえのある展覧会でした。

「現代アニメのフィギィアのルーツを平安鎌倉時代のアーティストに見た!」

※prayer  祈り   comfort  癒やし



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