“This feeling of air is not Japanese,it’s maybe that of continent of somewhere far away.”
丸太町通に面したこのギャラリーへは、久しぶりの訪問でした。
ギャラリー恵風
大西陽子 染色展 -風と-
2014年6月17日(火)-6月22日(日)
麻布にろうけつ染めという技法で仕上げられた作品が、このギャラリーの2階に展示されていました。
voices 2013
石窟の真上に輝く太陽はまだらに波打ち
それは灼熱の大地から湧き上がる熱気によってゆらゆらめく
風の家 2014
インド中央地方のとある石の建物
地が乾き 空気も乾き
だが空はしなやかに青く…
この石の建物の入り口は ひとの心の暗闇か
これらの染色作品の作者である大西陽子さんが在廊されていたので、
お話を聞くことができました。
「冬は寒く、夏は暑く、作品を持って階段を上り下りして、とてもおなかが空きます」
と、自宅の2階での作品づくりの意外な苦労話を聞かせてくれました。
「これらの絵は、どこかにスケッチしに行くのですか」
というボクの質問に、
「はい、これはインドなのですが、スケッチはさほど正確に描かなくて…その場の空気感を大切にしています」
というお答えでした。
『その場の空気感』
これは、このアーティスティック探訪を始めてから徐々に、そして自然と感じるようになっていた感覚です。
作品制作も作品鑑賞も、その現場に行って実物を見ることが大事なのだと。
作家さんの口から直接にこの言葉を聞けたことは、とても嬉しいことでした。
そして作家さんとのギャラリートークのその後に、振り返って見たこの染色作品の、雨水が逆さに流れたような模様の空の色に見とれ、
「…この色は…瑠璃色…」
ひとの足を止め、こころに染みる色がここにもありました。
※continent 大陸
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。