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美術館「えき」KYOTO わたせせいぞうの世界展|中里楓のアーティスティック探訪 70

投稿:2014年7月 1日

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“Heart cocktail was the memory of our youth.”

JR京都伊勢丹のあの長い、天に届きそうな眺めのよいエスカレーターの先に、この美術館「えき」KYOTOはあります。アーティスティック探訪を始めて約1年、この美術館へは初めての訪問です。

美術館「えき」KYOTO
わたせせいぞうの世界展 ~ハートカクテルからアンを抱きしめて~
2014年5月29日(木)-6月22日(日)

ハートカクテル…
あのカレとカノジョの洗練された絵。
ボクらの中学高校時代の遠き記憶にかすかに残るもの。

この展覧会は、わたせさんのイラストレーターとしての足跡に合わせて、章ごとにまとめられて展示されていました。

第1章 コミック作家&サラリーマン誕生!!

○なんとか川  1972

この漫画の登場人物の江戸の浪人とおぼしき絵からは、後のハートカクテルは想像もできません。これは以外なことでした。

第2章 「ハートカクテル」の誕生

○ハートカクテル第1巻  1984

ボクらが本屋の雑誌の表紙に見た、あのカレとカノジョの誕生です。
『昭和・ロマンチック・テクニックの恋の駆け引き』などの言葉が頭に浮かび、それは80年代を彷彿とさせるものでした。

第3章 愛するコミック作品たち

○表紙イラスト 菜(さい) 第10巻 1997

屋根に座る耕平と菜
大きな満月をバックにキスをかわす
月から来たであろうバニーガールがお盆の団子をうっかり落とし
猫がその白い玉にたわむれる

○夏/ The Motorcycle Letters #4 2005

深い緑の中をタンデムにカノジョを乗せてツーリング
水しぶきをあげ 赤い跳ね馬が風を切る

☆表紙イラスト 14 オリジナルカレンダー 〈製作過程〉

このコーナーは、イラストカレンダーの製作過程が展示されています。
それは、

ラフスケッチ-線画-色指定-原稿-色校正-完成

という順番で丁寧に展示されていました。

第4章 ② イラストレーター ~想い出のロスアンジェルス~

○汐風の回廊 1998

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(The World of Seizo Watase カタログ から参照)

「このボンネットの…光の反射が…」

すばらしい!
光の美しさをこのように描くなんて。
しかもこのオープンカーのフロントガラスには、カレとカノジョの視線の先にある、
青い海とそこに浮かぶヨットが映りこんでいるのです。

第5章 京都 「心のやすらぎ」 ~北九州 「ふるさと」

○風の景色 ~ふたりのシンフォニー~ 2014 

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(カタログ表紙から)

一枚の絵の中の、海の見える風景の、この澄んだ奥行きたるや!

第6章 「アンを抱きしめて 村岡花子物語」との巡り会い

○アンを抱きしめて 村岡花子物語 p.6-p7. 2014
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(カタログから参照)

サクラの樹にアンがこしかけて、通の父子をながめている

空や雲もそうだけど、このサクラもわたせさん独特の描き方で表現されています。
これをなんて言葉で表現したらいいのか…

『同系色の段々畑』

仮に今はこのように言っておきます。
もっとぴったりの言い回しを思いついたら、そのときに言い直します。

「ふわぁ~~~…今回も色のきれいな絵ばっかりやったわ~…」

と恍惚となりながら会場から出てきて、ふと右手の通路に足を向けてみると、

「わ!なんだこれ!」

その壁には、わたせ作品がプリントされた、

『アートタオル』

なるものが掲げられていたのです!
となりにいたイベントのおねえさんに聞いたところ、愛媛の今治にある

『タオル美術館 ICHIHIRO 』

で作られたとのこと。

○ロージィアフタヌーン

あまりに美しすぎて、タオルとしては使われへんわ…


※○・☆印は作品名。



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