“Mineral pigments are the nucleus of the beauty.”
前夜寝ていないあたまとからだにやさしいアートが、京都文化博物館別館内のギャラリーにありました。
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Arton art gallery
ぐり 友里 個展Ⅱ GURI TOMOSHATO Exhibition
0 。 夢の子 。 0
2014年8月5日(火)~8月31日(日) 10:00~19:30
月曜日休廊 7(木) 8(金) 23(土) 29(金) 30(土) は18:00まで
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京都の芸術大学の購買で初めて見た、ビンに入った岩絵具はとてもきれいでした。
岩群青、岩緑青、辰砂…それらは粒子としての魅力を発しています。
この個展には、そんな岩絵具を作家が独自で開発した接着剤で画材に施した作品が展示されていました。
『このゆびとまれ』 117×117×7 木材 岩絵具
和装の女性 波間にゆれる その細い指先には 赤いテントウムシ
『たなばた』 22×27.3 木パネル 岩絵具
浴衣のふたり 満月に雲かかる
これらの作品は、まるで砂糖菓子のようなざらざら感を持ち、細かい粒子のきらきら感もあって、岩絵具の特徴をそのまま生かしています。
『若返りの滝』 27.3×16 木パネル 岩絵具
夜 二筋の滝 その流れに少女が手をかざす
『am5:20』 24.2×33.3 木パネル 岩絵具
朝焼けのトワイライト
「この個展のタイトルについている、『。』の横の『0』はなんですの?」
と作家ぐり友里さんに素朴な疑問を聞いてみると、
「あ、それは、句読点の『。』だけだとなんだかきっちりしすぎてしまうというか・・・印象をやわらかくするために、『0』をつけているんです、あ、数字の『0』です」
とのお答え。
なるほど~、確かに『0』をつけることでタイトルにやわらかさが備わった感じがします。
それに、そう説明してくれた作家ぐり友里さんにも、やわらかい優しさを感じます。
やさしさが備わっているのは、タイトルや作家本人だけじゃありません。
まるで生き写しのように、会場の作品たちにもやさしさが備わっています。
そんな作品をひとつずつ、ゆっくり2~3分ほど鑑賞したら次の作品へ。
作家ぐり友里さんの作品に表現されているのは、白昼夢の世界。
それぞれにオリジナルのショートストーリーを想像することができるのです。
どんな内容になるかは、あなたが作品の前に立ち、自身の生い立ちや思い出と相談してみてのお楽しみ。
今回のこの個展では、その岩絵具の純粋な美しさを堪能することができました。
「いや~!今日もきれいなアートを見た~!」
※nucleus 中核 核心
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。