“You can feel the wild power of the Jomon period.”
そのポストカードの裏の写真に写っていたのは、「角」でした。
gallery C.A.J.
池山晃広 Holey Holye – 枝角のこえ- 展
2014年7月12日(土)~7月27日(日)
このギャラリーは、現代のアートジュエリーの発信基地です。
それでその「角」がどのようなジュエリーに変身しているのか、見に行ってきました。
ギャラリーに入って左手の井戸らしきものの上に展示されているのは、見事な角でした。
それに見入っていると、
「それは日本の鹿の角なんです」
とギャラリーのオーナーさんが説明してくれました。
「作家の池山晃広さんは酪農に従事していて、なのでわたしたちと比べるとより生と死が身近にあるので」
このように鹿の角をジュエリーに加工するのはとても自然なことなんだとか。
獲物を捕らえる切っ先のなめらかな角…
それが作家の手によってその技能が加わると、このようなアートになります。
少しくすんでいるのは、土で染めてあるからだそうで、
「亀の甲羅で占うことを亀卜(きぼく)と言うそうですけど、これは鹿の角なので鹿卜(しかぼく)ですよね」
ちょっと言葉が難しいので、調べてみると、
亀卜…古代中国殷の時代に行われた占い 亀の甲羅を焼いて国の大事を占うもの
鹿卜…日本古代の占いのひとつ 鹿の肩の骨を焼いてその裂け目で吉凶を占う
はぁ~、なるほど。
これら数々の小さな空洞は作家が機材を使って空けたものだそうで、それは角の模様に沿って施されていて、鹿卜というギャラリーオーナーさんの説明とあいまって、じっとこのアクセサリーの前に立っていると、
「おぉ…現代アートなのに、太古のオーラを感じることができるとは…」
絶対的な時間を超越するような、不思議な感覚が体を包むような。
No.9
木の樹皮を使っているのは、それによって深い森をイメージさせやすくするため。
なんの違和感もなく Holey Holye jewelryが添えられています。
No.11
しかもこの展示方法によって、鹿の角が抜け落ちて土に返る、ということも表現されています。
死と再生…
No.7
オレンジ、ブルーと染められて。
荒ぶる野生のPower も感じることができます。
今回の個展は、先史的なオーラを感じさせるジュエリーがその主人公でした。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。