“God has loved his talent?”
バルテュス…この名もまた、アーティスティック探訪を始めていなければ、きっと知ることのなかったことでしょう。
京都市美術館
「20世紀最後の巨匠」再び、京都へ。
Balthus バルテュス展
2014年7月5日(土)-9月7日(日)
会場に入るとすぐに、バルテュスのアトリエが原寸大で再現されていました。
それはスイスの小さな村ロシニエールにある木造のグラン・シャレという建物の中にあるものです。ただ単に、作品のみを鑑賞する展覧会が多いなか、画家の活動場所・アトリエを見、その空気感を感じることができて、ちょっと得した気分です。
第1章 初期
6 聖木の礼拝 (ピエロ・デッラ・フランチェスカ〈聖十字架伝〉にもとづく) 1926年
キリスト教にまつわる一枚で、信心深さを感じることができます。
第2章 バルテュスの神秘
26 眠る少女 1943年
(ポストカードから)
モデルはジャネット・アンドリーという少女。
なんとなく、日本のとある女優さんに似ているような…
27 美しい日々 1944-1946年
(美術館の入り口横の立看板の写真から)
モデルはオディル・ビュニョン。
手鏡を見るその姿勢は、左足を立て、右足をまっすぐ床に伸ばし、右手をだらりと垂らすという、どこにも類を見ない独特のポーズ。
その少女の表情も、ボクらにはそう簡単に理解できない魅惑を漂わせているようです。
29 猫と少女 1945年
(ポストカードから)
少女には不可侵の魅力。
少女の未完の体は、神の領域…
画家・バルテュスはその才能によってそれを表現したのです、紙一重のきわどさで。
37 地中海の猫 1949年
(ポストカードから)
テーブルに座る猫人はバルテュスの化身。
虹が魚に変身するという、奇想天外な一枚の絵です。
第3章 シャシー 田舎の日々
39 横顔のコレット 1954年
(ポストカードから)
石工の娘・コレット。
光と影。
青いセーターが鮮やかに。
46 樹のある大きな風景(シャシーの農家の中庭) 1960年
(ポストカードから)
秋から冬にかけてのとある一日でしょうか、
葉の落ちた樹は空に広く枝を伸ばし、
その向こうには畑の広がるのどかな田園風景、
田舎の小屋も立ち並び。
第4章 ローマとロシニエール
49 朱色の机と日本の女 1967-1976年
この日本の女のモデルは節子夫人。
体の前面をはだけて床を這うような姿勢は、バルテュス独特のものでしょう。
バルテュスの色 泥絵の具
Blu Oltremare Puro
ピュアなウルトラマリンブルー
ラピスラズリと同じ合成ウルトラマリンでできています。
絵の具単体でこの鮮やかな色。これだけでも見惚れてしまいます。
会場の売店で購入しました。
初めて見たバルテュスの多くの作品たち。
まだまだボクの中では、十分に消化しきれていません。
20世紀という時代、色使い、少女というモチーフ、猫…
様々な要素を絡めながら、画家”バルテュス”を、時間をかけて考えてみようと思います。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。