“The young potter makes the innovative ceramics.”
このギャラリーのオーナーさんから今回の展覧会のポストカードをいただいていたので、行ってきました。
ART SPACE 感
武村和紀 Takemura Kazuki
―構造から生まれるカタチ―
2014.10.14(tue)~26(sun)
展示場にあったそれらの作品は、目を見張るほど斬新なものでした。
まずはこの作家の略歴を簡単に見てみましょう。
1986 岐阜県生まれ
2008 第46回 朝日陶芸展 奨励賞
2009 神戸ビエンナーレ現代陶芸展 大賞
2011 愛知教育大学大学院教育学研究科 修了
ギャラリーに入って最初に気を引いたのがこの作品でした。
四角蟲
今にも動き出しそうな造形。
太古の地球の支配者・恐竜のようなかっこよさがあります。
蠢動
流れるような曲線に若き作家のセンスが生きています。
Growing –在-
「これは…変わった形ですね…六角形」
というボクの言葉に答えてくれたのは、在廊されていた武村和紀さんです。
「それは、このように…両手の人差し指と親指を交差させて合せたときにできるカタチを引き延ばして作るんです」
文字だけではわかりにくいので、図を描いてみました。
下のように指と指を合わせるんです。
上の黒い三角形は実はピラミッド型。
それが進化すると、下のような今回の展覧会の目玉の作品になります。
Growing 1401
「これは円形の石膏の型に、こう…この外側からはめ込むように造ったものです」
元は黄色の土に白い釉薬と青い釉薬をコンプレッサーで噴射しているのだとか。
どちらもカタチの基本は六角形・ハチの巣構造。
「それに加えてこのアーチ構造で、強度を上げているんです」
武村さんの説明を聞きながら改めてその部分を見てみると、そのなめらかな曲線に一種のかっこよささえ感じます。
今まで見たことのない造形物に、胸の内が少しくザワザワします。
それは新感覚のアートに触れたときにいつも感じる喜びというもの。
でもそんな目を見張る造形物のみではありません。
生活に潤いをもたらす作品も展示されています。
これらの徳利、ぐいのみはにぶく黒く光りを反射しています…
その色は、錆鉄御納戸(さびてつおなんど)、青みの暗い灰青緑。
この日に出会った魅惑の、日本の伝統色です。
「はぁ~…ため息の出るくらい、美しい」
※innovative 斬新な
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。