“Sister is brewing the time. - 時を醸しだす姉妹”
いつも歩いていた姉小路通に素敵なギャラリーがありました。
1階は古道具たちが陳列されて、2階はギャラリーになっています。
ふらっと最初に立ち寄ったときの、その姉妹ふたりの展覧会場に満ちる空気感に
もう一度触れたくて、再び訪ねてみました。
ANTIQUE belle GALLERY
「川影」
Ayaka & Moegi Codama Exhibition “KAWAKAGE”
児玉彩(絵画)と児玉萌(散文)の展覧会
2014年10月16日(木)- 10月26日(日)
12:00~19:00(最終日18:00まで)
姉妹ふたりの展覧会とはとても珍しく、会場の壁には、
「妹さんの散文」と「お姉さんの絵」
が掲げられていました。
妹・萌(もえぎ)と姉・彩(あやか)。
「昔話から発想を得たわたしの散文をもとに、姉・彩が絵を描いてます」
とは小柄でかわいらしい妹・萌さんの言葉です。
聞けば姉・彩さんは26歳、妹・萌さんは23歳というじゃないですか、
そんな現代の女の子が昔話?
そのギャップに思わず驚き、
「よければこれを見て下さい」
と萌さんから手渡された紙質のやわらかな原稿用紙には、
真ん中に2行ずつ、それはそれは質素な昔話が語られていました。
三重に伝わる昔話-ホトトギスむかしより 兄を憂いて-
ホトトギスの兄は畑に ホトトギスの弟は家で里芋を料理して
悪い里芋を自分で食べ いい里芋を兄のために残しておいて
帰ってきた兄はその里芋を見て 弟がいい里芋を食べたと勘違い
弟のおなかを刃物で裂いて殺してしまいました
でも弟のおなかから出てきたのは 悪い里芋
かわいそうなのは 弟?それとも 兄?
(・・・姉妹の色に染まる雰囲気のギャラリー・・・)
「日本の昔話に流れる"時”を、この空間に再現することができれば」
と姉・彩さんの説明です。
同じ展覧会を再び訪れたのは、その"時"を再体感したかったから。
(このやわらかな・・・肌をやさしく包み込む感覚・・・)
現代に流れる時の速さとは違う、ゆったりとした昔話の"時"。
それは十二分にこのギャラリー内に体現できているのです、
萌と彩の姉妹から醸しでるオーラといっしょになって。
この姉妹の展覧会「川影」の魅力は、
妹・萌の散文
姉・彩の絵
それともうひとつ
このふたりからあふれ出るやわらかな空気感
なのです。
この空気感に包まれると、とても幸せな心地になれます。
※brew 醸造する
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。