中里楓のアーティスティック探訪 94
ギャリエ・ヤマシタ 佐々木修 絵画展
“It should be more national to be international.”
今回も行き当たりばったりでいい個展に出会いました。
場所はいつもの寺町通。最近つくづく思います、
「ここは逸材の宝庫だ」
と。この個展に行こうと決めていたわけではないけど、ギャラリーにはすばらしい作品が展示されていました。
ギャリエ・ヤマシタ2号館1F
佐々木修 絵画展
2014年11月4日火~9日日
八瀬の里 No4
三年坂 No51
美山早春 No52
実はこの日は11月4日で、この絵画展の初日でした。
でもここへ来る前に今出川の冷泉邸を訪れていて、頭の中はその公家のお宝の余韻に浸っていたのです。
ゆえにその余韻を邪魔されたくないと思っていたのだけど…
(おぉ~…日本の美しい風景が…ある…)
感動しました。
ギャラリーの受付の人に聞いてみました。
「あの、この絵を描いた佐々木さんって」
「あ、こちらの」
と佐々木修氏は在廊されていました。素直な感想を佐々木氏にお話ししました。
「これらの絵は、とてもいいと思います。なんかこう、『ばちっ』と『はっきり』と描かれていないから…そのぼかしが襖絵の余白に似た『遊び』に通じていて、観る側の想像をかきたてるというか…」
「あぁ、それはありがとうございます」
「はっきりと描かれていると作家の主張がつよく感じられ、なんかこう…とりつく島がないというか…これらの絵はぼかして描かれているからこそ、鑑賞者はそれまで生きてきた自分の生き様のどれかに照らし合わせることができると、そう思うのです」
「おぉ、そんな風に感じてくれますかぁ、そんな風に感じて頂くのは初めてです
このようにやさしく対応してくれる、佐々木氏は温厚な方でした。
言うなれば佐々木修氏の絵には、観る者を受け入れる『すきま』があり、それは観る者の感覚と混ざり合うことができると思うのです、まるでマーブル模様のように。
比叡緑風 No5
奈良町 No8
白川路 No15
どの絵も日本の風景です。ボクが思うにこれらは日本の風景画として、世界に紹介しても恥ずかしくない絵だと思います。
「このギャラリーで安らぎを得る日本の美しい風景画に出会った~!」
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。