ボクには美しき世界へ導いてくれる友人がいます。
その人から頂いたチケットを持って、この展覧会へ行ってきました。
京都高島屋グランドホール7階
芹沢銈介の世界展
2015.1.7(水)-19(月)
「まさしく彼は、デザイナー」
その友人の言葉です。
その言葉通り、ボクにとって新しい美の世界がありました。
『型絵染の人間国宝、芹沢銈介(1895~1984年)。
柳宗悦(やなぎむねよし)との出会いをきっかけに民藝運動に共感し、沖縄の紅型から独自の型絵染を創始する…』(チラシの説明から)
この展覧会の作品群を観て、これらの作品が生まれ出てきたその背景・日本という国のカタチを考えるきっかけのひとつになりました。
いろは文六曲屏風 1958(ポストカードから引用)
仮名一文字につきひとつの絵が対応しています。
「ろ」はろくろ、「に」はにわとり、といった具合に。
この作品の他にも、
「いろは文着物 1954」
という作品もあるのですが、それは着物一面に橙・紫・紺・金色といった様々な色でいろはの平仮名が描かれているもの。
あたかも筆の根元を軽く持って書きつけているような、独特の太さの「いろは」が島国の文化を内包していると感じる作品です。
中国伝来の漢字の一部分を取り出し、「平仮名」というわかりやすく、しかも優しさを彷彿とさせる文字、さらに柔らかさをイメージさせるような丸みを持った文字を生み出した、という意味での島国の文化を。
寿の字のれん 1974(スケッチから)
芹沢銈介は、文字通り「文字」と遊びながら、表現しています。
漢字の、ひらがなの、それぞれが持つ不思議な魅力を感じて作品を作り出していたと思えるような。
筍文のれん 1955(ポストカードから引用)
黍文着物 1949(ポストカードから引用)
黍(きび)文様のデザイン・・・これを美しいと感じるのは、黍が古代日本の主要穀物のひとつだと遺伝子が覚えているからでしょうか。
桐鳳凰模様夜着 日本 19世紀(スケッチから)
芹沢銈介の蒐集品のひとつ。
鳳凰の姿が神々しい。
少しでもそのオーラを感じたくて、やっぱりスケッチしてしまいます。
もっと時間があれば全体像を描いていたかも?
今回の展覧会も、この国の過去に美を追求した偉人がいたことを教えてくれるものでした。
中里楓です。「京都をもっと好きになる!」「アートが好き!」「カフェが好き!」この3つのコンセプトをもとに京都の魅力を探し歩いてます。時空的にも空間的にも京都にはひとを惹きつけるものがいっぱい。そんな京都的小宇宙を精いっぱいご紹介します。